ある混合次元量子三体系では、ボルン・オッペンハイマー近似を用いることで、重い2粒子間の相対距離 r (r>0) に関する有効1次元問題へ帰着される。この系の波動関数 u(r) は、以下のゼロエネルギー・シュレディンガー方程式を満たすとする。
−2μℏ2dr2d2u(r)+(r3C3−r2C2)u(r)=0
ここで μ は換算質量、C3>0 は短距離で働く斥力的な 1/r3 相互作用の強さ、C2>0 はエフィモフ効果に対応する有効的な引力 1/r2 相互作用の強さである。便宜上、無次元のパラメータ R,s を以下のように定義する。
R=ℏ22μC3,s2+41=ℏ22μC2
本問題では s>0 であるとする。 この方程式は、適切な変数変換 x=2R/r および u(r)=rF(x) を用いることで、変形ベッセル方程式に帰着できる。
短距離領域 (r→0) において確率密度が発散しない(すなわち物理的に許容される)解を選び、その解が中距離領域(短距離の 1/r3 斥力が支配的となる特性長 R よりは十分に大きい距離でありつつ、波動関数の外側への減衰長よりは十分に小さい領域)においてどのような漸近形を持つか調べよ。
中距離領域において波動関数 u(r) は対数周期的な振動を示し、空間スケールの変換 r→λr (λ>1)に対して確率密度の空間構造(節の位置など)が自己相似性を持つことがわかる。このとき、隣り合う束縛状態の空間的広がり an,an+1 (an<an+1) の比は an+1/an=λ となる。
さらに、極めて浅い束縛状態のエネルギー En は、空間的広がりに対して En≃−2μan2ℏ2 とスケールすることが知られている。 この系において、隣り合う束縛状態のエネルギーの比を Λ=En+1En (ここで ∣En∣>∣En+1∣ とする)と定義する。
以上の条件をもとに、ある特殊な実験系について考える。
この実験系では、各物理定数が無次元化された有効引力パラメータにおいて、厳密に以下の関係式を満たすように調整されている。
ℏ22μC2=41+41960321
この系におけるエネルギー比 Λ は、ある整数 W を用いて Λ=eWπ と厳密に表すことができる。 整数 W の値を半角数字で答えよ。