GWCB006 問題5
Problem Statement
底面が傾いた容器内の液体の圧力分布と底面が受ける力
問題文
大気中において、鉛直な側壁をもち、底面が水平面から角度 θ だけ傾いた十分にはばの広い容器が固定されている。この容器の中に、密度 ρ の液体を静かに注いだところ、液面は静止して水平になった。
液面から、容器の最も深い位置にある底面の端(最深部)までの鉛直深さを H とする。最深部を原点 O とし、傾いた底面に沿って液面に向かう上向きの方向に x 軸をとる。
大気圧を P0、重力加速度の大きさを g とするとき、底面上の位置 x における液体の絶対圧 P(x) を表す式を求めよ。また、容器の側壁の幅( x 軸に垂直な水平方向の長さ)を W とするとき、底面全体が液体から受ける全圧力による垂直な力の大きさ F を求めよ。ただし、液体は底面全体を完全に覆っているものとする。
制約
- P0=1.00×105 Pa
- ρ=1.00×103 kg/m3
- g=9.80 m/s2
- θ=6π rad
- H=2.00 m
- W=5.00×10−1 m
入力形式
底面全体が液体から受ける全圧力による垂直な力の大きさ F [ N ]の値をそのまま自然数で入力せよ。
Solution
解説
底面上の位置 x における圧力の立式
傾いた底面に沿って最深部( x=0 )から距離 x だけ進んだ位置を考えます。この位置の、最深部からの鉛直上向きの高さは xsinθ と表されます。 最深部の鉛直深さが H であるため、底面上の位置 x における液面からの鉛直深さ h(x) は次のように表されます。
h(x)=H−xsinθ静止した液体内部の圧力(絶対圧)は、液面からの鉛直深さのみによって決まるため、位置 x における圧力 P(x) は大気圧 P0 を加えて次のようになります。
P(x)=P0+ρg(H−xsinθ)底面全体の長さの決定
液体が底面全体を覆っているときの、底面の有効な全体の長さ L を求めます。液面と底面が交わる位置では鉛直深さが 0 となるため、 h(L)=0 より次のようになります。
H−Lsinθ=0⟹L=sinθH底面全体が受ける力の積分
底面上の位置 x における微小な長さ dx の領域を考えます。この領域の面積 dA は、容器の幅 W を用いて dA=Wdx と表されます。 この微小面が液体から受ける垂直な微小な力 dF は、圧力と面積の積になります。
dF=P(x)dA=[P0+ρg(H−xsinθ)]Wdx底面全体が受ける全圧力による垂直な力の大きさ F は、これを x=0 から x=L まで積分することで求められます。
F=∫0LW[P0+ρgH−ρgsinθ⋅x]dx F=W[(P0+ρgH)x−21ρgsinθ⋅x2]0L F=W[(P0+ρgH)L−21ρgsinθ⋅L2]ここで、 L=sinθH を代入して整理します。
F=W[(P0+ρgH)sinθH−21ρgsinθ(sinθH)2] F=W[sinθP0H+sinθρgH2−21sinθρgH2] F=sinθWH(P0+21ρgH)数値の代入
制約欄の数値を代入します。 θ=6π より、 sinθ=sin(6π)=21=0.500 です。
まず、括弧の中の圧力の平均値を計算します。
21ρgH=21×(1.00×103 kg/m3)×(9.80 m/s2)×(2.00 m)=9.80×103 Pa=0.0980×105 Pa P0+21ρgH=1.00×105 Pa+0.0980×105 Pa=1.098×105 Pa次に、全体の力の大きさ F を計算します。
F=0.5000.500 m×2.00 m×(1.098×105 Pa) F=2.00×1.098×105=2.196×105=219600 Nしたがって、底面全体が液体から受ける力の大きさは 219600 N となります。
解答:219600