GWCB005 問題7
Problem Statement
密度の異なる3種の液体のつり合いと底面が受ける圧力
問題文
大気中において、断面積が S で一定の鉛直なU字管が固定されている。この管の底部には密度 ρ1 の液体1が入っており、左右の管に分かれて静止していた。
いま、左側の口から液体1と混ざり合わない密度 ρ2 の液体2を静かに注ぎ、同時に、右側の口から液体1および液体2のどちらとも混ざり合わない密度 ρ3 の液体3を静かに注いだ。その結果、すべての液体が静止したとき、左側の管の液体2の上面と、右側の管の液体3の上面は同じ高さ(水平面)になった。
このとき、左側の管における液体1と液体2の境界(界面)は、右側の管における液体1と液体3の境界よりも鉛直下方に距離 d だけ低い位置にあった。また、右側の管の液体3の層の厚さ(深さ)は h であった。
大気圧を P0、重力加速度の大きさを g とする。左右の管の口はともに大気に開放されているものとして、液体1と液体2の境界がある水平面(位置)において、右側の管の液体1の内部にはたらく絶対圧 P を求めよ。
制約
- P0=1.01×105 Pa
- ρ1=1.00×103 kg/m3
- ρ3=8.00×102 kg/m3
- g=9.80 m/s2
- h=2.00×10−1 m
- d=5.00×10−2 m
入力形式
絶対圧 P [ Pa ]の値をそのまま自然数で入力せよ。
Solution
解説
基準面の選定と圧力の等価性
静止した同じ液体(ここでは液体1)の内部において、同じ高さにある点の圧力は等しくなります。 問題文で指定された「左側の管における液体1と液体2の境界(界面)がある水平面」を基準面として考えます。
- 点A(左側の管): 液体1と液体2の境界がある点。
- 点B(右側の管): 点Aと同じ高さにある、液体1の中の点。
液体1はU字管の底部を通じて左右でつながっており、静止しているため、これら2点の絶対圧は等しくなります。
PA=PB=Pしたがって、右側の管の点Bにおける絶対圧 P を求めるために、左側の管の点Aにおける圧力 PA を立式して計算します。
各管の液柱の高さの幾何学的関係
左右の管の最上面(大気との界面)は同じ高さにあります。 右側の管では、上面から厚さ h の液体3の層があり、その下が液体1になっています。 液体1と液体3の境界から、さらに距離 d だけ下がった位置が基準面(点Bの高さ)です。
一方、左側の管では、上面から基準面(点A)までがすべて液体2で満たされています。 右側の管の幾何学的関係から、上面から基準面までの全鉛直距離は (h+d) となります。 左右の上面の高さが等しいため、左側の管にある液体2の液柱の高さ h2 もこれに等しくなります。
h2=h+d密度の関係式の導出
左側の管の点Aにおける絶対圧 PA は、大気圧 P0 に高さ h2 の液体2による圧力を加えたものです。
PA=P0+ρ2g(h+d)右側の管の点Bにおける絶対圧 PB は、大気圧 P0 に高さ h の液体3による圧力、および厚さ d の液体1による圧力を加えたものです。
PB=P0+ρ3gh+ρ1gdPA=PB より、次のつり合いの式が成り立ちます。
P0+ρ2g(h+d)=P0+ρ3gh+ρ1gd両辺から P0 を引き、 g で割ると、各液体の密度と高さの関係式が得られます。
ρ2(h+d)=ρ3h+ρ1dこの問題では、右側の管の点Bにおける圧力 P を直接求めればよいため、 P=P0+ρ3gh+ρ1gd の式にそのまま数値を代入することで解答が得られます(液体2の密度 ρ2 を経由する必要はありません)。
数値の代入
制約欄の数値を圧力の式に代入します。
まず、液体3による圧力分を計算します。
ρ3gh=(8.00×102 kg/m3)×(9.80 m/s2)×(2.00×10−1 m)=1.568×103 Pa次に、液体1による圧力分(厚さ d の部分)を計算します。
ρ1gd=(1.00×103 kg/m3)×(9.80 m/s2)×(5.00×10−2 m)=4.90×102 Pa=0.490×103 Paこれらを足し合わせて、基準面における液圧の合計を求めます。
ρ3gh+ρ1gd=1.568×103 Pa+0.490×103 Pa=2.058×103 Pa大気圧 P0=1.01×105 Pa=101.0×103 Pa を加えて、全体の絶対圧 P を算出します。
P=101.0×103 Pa+2.058×103 Pa=103.058×103 Pa=103058 Paしたがって、求める絶対圧は 103058 Pa となります。
解答:103058