奇妙な方程式をフーリエ成分ごとに見る
一見すると、微分と「2π だけ平行移動した関数」が混在しており、通常の微分方程式とはかなり様子が異なります。
しかし、周期関数に対してはフーリエ成分
einx
を考えると、微分も平行移動も単なる定数倍として作用します。
f の第 n フーリエ係数を fn とします。
4階微分と2階微分については、
f(4)n=n4fn
および、
f′′n=−n2fn
です。
一方、平行移動については、
f(x+2π)
の第 n フーリエ係数は、
einπ/2fn
となり、
f(x−2π)
では、
e−inπ/2fn
となります。
したがって、その和は、
2cos(2nπ)fn
です。
元の方程式の第 n フーリエ成分を取り出すと、
[n4−40n2+279+135cos(2nπ)]fn=0
を得ます。
したがって、fn=0 となるためには、
n4−40n2+279+135cos(2nπ)=0
でなければなりません。
生き残れる整数周波数を探す
ここで、
n4−40n2+279=(n2−9)(n2−31)
と因数分解できます。
n の偶奇によって、
cos(2nπ)
の値が大きく変わります。
まず n が奇数なら、
cos(2nπ)=0
です。
したがって、
(n2−9)(n2−31)=0
となります。
n は整数なので、
n=±3
だけが可能です。
次に、
n≡2(mod4)
なら、
cos(2nπ)=−1
です。
よって、
n4−40n2+279−135=0
すなわち、
n4−40n2+144=0
となります。
これは、
(n2−4)(n2−36)=0
と因数分解できるので、
n=±2, ±6
を得ます。
最後に、
n≡0(mod4)
なら、
cos(2nπ)=1
なので、
n4−40n2+414=0
です。
u=n2 とおけば左辺は、
u2−40u+414=(u−20)2+14
です。
これは常に正なので、この場合には解はありません。
したがって、f に含まれ得る周波数は、
2, 3, 6
だけです。
よって、実数値関数 f は必ず、
f(x)=a2cos2x+b2sin2x+a3cos3x+b3sin3x+a6cos6x+b6sin6x
と書けます。
原点で二重に0になる条件
f(0)=0 より、
a2+a3+a6=0
です。
また、
f′(x)=−2a2sin2x+2b2cos2x−3a3sin3x+3b3cos3x−6a6sin6x+6b6cos6x
なので、f′(0)=0 より、
2b2+3b3+6b6=0
となります。
興味深いことに、余弦係数と正弦係数にはそれぞれ独立した条件が課されています。
R[f] を係数で表す
異なる整数周波数の三角関数は 0 から 2π で直交します。
したがって、
∫02πf(x)2dx=π(a22+b22+a32+b32+a62+b62)
です。
また、微分すると各周波数 n は n 倍されるため、
∫02π{f′(x)}2dx=π[4(a22+b22)+9(a32+b32)+36(a62+b62)]
です。
したがって、
R[f]=a22+b22+a32+b32+a62+b624(a22+b22)+9(a32+b32)+36(a62+b62)
となります。
正弦部分の最小値
まず、
fs(x)=b2sin2x+b3sin3x+b6sin6x
だけを考えます。
条件は、
2b2+3b3+6b6=0
です。
ここで、
b3=y,b6=z
とおくと、
b2=−23y+6z
です。
正弦部分についての分子を Ns、分母を Ds とすると、
Ns=18(y2+2yz+4z2)
および、
Ds=413y2+36yz+40z2
となります。
ここで、いきなり最小値を微分で探す代わりに、
Ns−736Ds
を計算すると、
Ns−736Ds=79(y−4z)2
となります。
右辺は常に 0 以上なので、
DsNs≥736
です。
しかも、
y=4z
のとき等号が成立します。
例えば、
b6=1,b3=4
とすれば、
b2=−9
となります。
したがって、
f(x)=−9sin2x+4sin3x+sin6x
は実際に、
R[f]=736
を実現します。
余弦部分はそれより小さくできるか
次に余弦部分を考えます。
条件
a2+a3+a6=0
を用いて、
a3=y,a6=z,a2=−y−z
とします。
余弦部分の分子と分母は、
Nc=13y2+8yz+40z2
および、
Dc=2(y2+yz+z2)
です。
ここでも 736 と比較すると、
Nc−736Dc=719y2−16yz+208z2
となります。
分子は、
19(y−198z)2+193888z2
と変形できます。
したがって、(y,z)=(0,0) なら必ず、
Nc−736Dc>0
です。
よって、0でない余弦部分については、
DcNc>736
となります。
全体の最小値
正弦部分と余弦部分は直交しているので、両方を含む場合の R[f] は、それぞれの比の重み付き平均になります。
余弦部分の比は 736 より大きく、正弦部分では実際に 736 を達成できます。
したがって、全体での最小値は、
minR[f]=736
です。
よって、
p=36,q=7
なので、
p+q=43
となります。
入力すべき自然数は、
43
です。