GSO012 問題6
Problem Statement
二色レーザーで現れる「重なる暗線」
問題文
十分に長い単スリットをもつ遮光板と、その後方に平行に置かれたスクリーンを用いて回折実験を行う。
単スリットの長手方向を鉛直方向、幅方向を水平方向とし、その幅を a とする。スリット面からスクリーンまでの距離を L とする。
青色レーザーと橙色レーザーの波長を、それぞれ λB、λO とする。2本のレーザーを同じ光軸に沿って一方ずつ単スリットへ垂直に入射させ、それぞれについてスクリーン上に生じる暗線の位置を記録する。その後、2つの記録を同じ座標上に重ね合わせる。
光軸とスクリーンとの交点を y=0 とし、スクリーン上の水平方向の位置を y で表す。
スクリーンの直前には、中央極大から検出器を保護するため、鉛直方向に十分長い帯状の遮光板が置かれている。この遮光板は ∣y∣<ymask の領域を覆う。遮光板はスクリーン直前にあるため、単スリットで生じる回折そのものには影響せず、この領域内の暗線だけが記録されないものとする。
検出器は ∣y∣≤ymax の範囲を左右対称に記録し、異なる位置の暗線は十分に分解できるものとする。
遠方回折として、単スリットの暗線条件
asinθ=mλ
を用いることができるものとする。ただし、m は正の整数である。
また、観測範囲では角度が十分小さいため、
sinθ≃tanθ≃θ
としてよく、本問ではこの近似から得られる暗線位置
∣ym∣=amλL
を用いて、暗線が記録範囲内にあるかを判定するものとする。
青色レーザーと橙色レーザーの暗線が同じ位置に現れる場合、重ね合わせた記録では1本の暗線として数える。
制約
- a=0.150mm
- L=1.50m
- λB=450nm
- λO=600nm
- ymask=11.0mm
- ymax=51.0mm
入力形式
記録可能な範囲
ymask≤∣y∣≤ymax
に現れる、青色レーザーと橙色レーザーを合わせた異なる位置の暗線の総数を N とする。
同じ位置に青色と橙色の暗線が重なる場合は1本として数える。
N を自然数で入力せよ。
Solution
単スリットによる暗線の位置
単スリット回折の暗線は、
asinθ=mλ(m=1,2,3,…)を満たす方向に現れます。
小角近似より、
sinθ≃tanθ≃L∣y∣なので、第 m 暗線の位置は、
∣ym∣=amλLと表せます。
青色レーザーの暗線
青色レーザーでは、暗線の位置は、
∣ym∣=maλBLです。
1次数あたりの間隔は、
aλBL=0.150×10−3450×10−9×1.50=4.50mmなので、
∣ym∣=4.50mmmとなります。
記録される条件は、
11.0≤4.50m≤51.0です。
したがって、
4.5011.0≤m≤4.5051.0より、
m=3,4,5,…,11です。
よって、片側に記録される青色レーザーの暗線は9本です。
橙色レーザーの暗線
橙色レーザーについても同様に、
∣yn∣=naλOLです。
1次数あたりの間隔は、
aλOL=0.150×10−3600×10−9×1.50=6.00mmなので、
∣yn∣=6.00nmmとなります。
記録される条件は、
11.0≤6.00n≤51.0です。
したがって、
n=2,3,4,…,8となります。
よって、片側に記録される橙色レーザーの暗線は7本です。
二色の暗線が重なる条件
ここで、青色9本と橙色7本をそのまま足すことはできません。
青色の第 m 暗線と橙色の第 n 暗線が同じ位置に現れるとき、両者の回折角は等しいため、
mλB=nλOが成立します。
したがって、
450m=600nより、
3m=4nです。
m,n は正の整数なので、
m=4k,n=3kと表せます。
青色については 3≤m≤11、橙色については 2≤n≤8 なので、両方を満たすのは、
k=1,2です。
すなわち、
(m,n)=(4,3),(8,6)の2組で暗線が重なります。
小角近似による位置は、それぞれ、
∣y∣=18.0mmおよび、
∣y∣=36.0mmであり、いずれも記録範囲内です。
したがって、片側に現れる異なる位置の暗線は、
9+7−2=14本です。
左右両側を数える
単スリットの回折像は y=0 について左右対称です。
また、y=0 は中央極大であり、暗線ではありません。
したがって、左右両側に現れる異なる位置の暗線の総数は、
N=2×14=28です。
入力すべき自然数は、
28です。