GSO010 問題6
Problem Statement
質量端の周波数で切り替わる反射条件
問題文
線密度 ρ、張力 S の一様な弦が x<0 の領域に存在し、原点で質量 m の小環に結ばれている。小環は y 軸に沿ったガイド上を摩擦なく動く。重力と空気抵抗は無視する。
弦の変位を y(x,t) とする。微小変位の範囲では、小環が弦から受ける力の y 成分は、
−S∂x∂y(0,t)と近似できるものとする。
弦を伝わる横波の速さは、
v=ρSである。
原点へ向かう入射波を、
yin(x,t)=Acos(ωt−kx)とする。ただし、
k=vωである。
定常状態では、小環も角振動数 ω で調和振動している。
小環の運動方程式と調和振動の加速度を用いて、境界条件を角振動数 ω と結び付けて考える。
次の各問いについて正しい選択肢を選べ。
(a)
小環の運動方程式から得られる境界条件を、無次元量
β=Skmω2を用いて表したものとして正しいものはどれか。
- k1∂x∂y(0,t)=βy(0,t)
- k1∂x∂y(0,t)=−βy(0,t)
- ky(0,t)=β∂x∂y(0,t)
- ∂x∂y(0,t)=0
(b)
ω→0 の極限では、この境界はどのような境界に近づくか。
- 固定端
- 自由端
- 波を完全に吸収する端
- どちらにも近づかない
(c)
ω→∞ の極限では、この境界はどのような境界に近づくか。
- 自由端
- 波を完全に吸収する端
- 固定端
- どちらにも近づかない
制約
なし
入力形式
(a)、(b)、(c)で選んだ番号をこの順に連結した自然数を入力せよ。
Solution
境界条件を角振動数と結び付ける
小環には弦からの張力のみが y 方向に働くので、運動方程式は、
m∂t2∂2y(0,t)=−S∂x∂y(0,t)です。
小環は角振動数 ω で調和振動しているため、
∂t2∂2y(0,t)=−ω2y(0,t)です。
これを運動方程式に代入すると、
mω2y(0,t)=S∂x∂y(0,t)となります。
両辺を Sk で割ると、
k1∂x∂y(0,t)=Skmω2y(0,t)です。
したがって、
k1∂x∂y(0,t)=βy(0,t)となるので、(a)は1です。
低周波極限
k=ω/v より、
β=Skmω2=Smωvです。
したがって、
ω→0では、
β→0となります。
境界条件は、
k1∂x∂y(0,t)=βy(0,t)なので、この極限では、
∂x∂y(0,t)→0となります。
これは自由端の境界条件です。
したがって(b)は2です。
高周波極限
一方、
ω→∞では、
β→∞となります。
境界条件を、
y(0,t)=βk1∂x∂y(0,t)と見ると、反射波を含む弦の変位や傾きが有限である範囲では、
y(0,t)→0となります。
これは固定端の境界条件です。
したがって(c)は3です。
低い角振動数では小環の慣性の影響が小さくなって自由端に近づき、高い角振動数では小環が動きにくくなって固定端に近づきます。
選択番号は 1,2,3 なので、入力すべき自然数は、
123です。