GSO010 問題3
Problem Statement
すべり出すのは何回目か
問題文
物流倉庫で、床に置いた荷物がどの程度の力ですべり始めるかを調べている。
水平な床の上に質量 m の荷物を置き、モーター式の引張装置で床と平行に引く。荷物と床の間の静止摩擦係数を μs、重力加速度を g とする。
引張装置を最初に設定した力を F0 とする。この状態では荷物は静止している。その後、装置を1回操作するたびに、荷物を引く力が ΔF ずつ増加する。
荷物が静止している間、床から受ける静止摩擦力は、荷物が動き出さないように大きさを変える。ただし、その大きさには上限がある。
引く力は常に水平方向に働き、荷物は傾いたり回転したりしないものとする。
装置を何回操作したとき、荷物が初めてすべり始めるか求めよ。
制約
- m=14kg
- μs=0.42
- g=10m/s2
- F0=23N
- ΔF=2N
入力形式
荷物が初めてすべり始める操作の回数を n とする。n を自然数で入力せよ。
Solution
最初の静止摩擦力
最初、荷物は 23N の力で水平方向に引かれているにもかかわらず静止しています。
水平方向の力がつり合っているため、このとき静止摩擦力の大きさは、
fs=23Nです。
ここで、静止摩擦力が最初から最大の大きさで働いているわけではないことが重要です。静止摩擦力は、荷物を静止させるために必要な大きさだけ働きます。
最大静止摩擦力
引く力は水平方向なので、鉛直方向では垂直抗力 N と重力がつり合います。
したがって、
N=mg=14×10=140Nです。
最大静止摩擦力を fmax とすると、
fmax=μsNなので、
fmax=0.42×140=58.8Nとなります。
つまり、静止摩擦力は 23N から引く力に合わせて大きくなっていきますが、58.8N より大きな静止摩擦力を生じることはできません。
すべり始める操作回数
装置を n 回操作したとき、引く力は、
F=23+2nとなります。
17回操作したときは、
F=23+2×17=57Nです。
これは最大静止摩擦力 58.8N より小さいため、荷物はまだ静止できます。
18回操作したときは、
F=23+2×18=59Nです。
これは、
59N>58.8Nとなり、静止摩擦力では引く力につり合えません。
したがって、荷物が初めてすべり始めるのは、
n=18回目の操作です。
この問題では、静止摩擦力は常に最大静止摩擦力に等しいのではなく、物体が静止している間は必要な大きさまで変化し、その上限を超える力が加わると物体がすべり始めることを利用しています。
入力すべき自然数は 18 です。