GSO007 問題9
Problem Statement
偏心円孔をもつ薄板の面内極値慣性モーメント
問題文
一様な面密度 σ をもつ薄い剛体板が xy 平面内に静止している。まず、原点 O を中心とする半径 R の円板を考える。この円板から、中心 A の位置ベクトルが
OA=uex+veyである半径 r の円板部分を完全にくり抜く。くり抜かれた部分には質量がない。板の厚さは無視でき、残った板は一体の剛体として扱える。条件 r+u2+v2<R は満たされている。
残った板の重心を G とする。G を通り、板の面内にあるすべての直線を回転軸の候補とする。ただし、板に垂直な軸は候補に含めない。この候補の中で、軸まわりの慣性モーメントが最大となる値を Imax、最小となる値を Imin とする。
円板の板に垂直な中心軸まわりの慣性モーメント、直交軸の定理、平行軸の定理を用いて、比
IminImaxを求めよ。
制約
- R=1.00m
- r=0.500m
- u=0.150m
- v=0.200m
- σ=2.40kg/m2
入力形式
IminImax を既約分数 qp で表す。入力すべき自然数は p+q とする。
Solution
負の質量をもつ円板として扱う
くり抜かれた円板部分を、同じ面密度をもつ負の質量の円板として扱います。元の大円板の質量を MR、くり抜かれた小円板の質量を Mr とすると、
MR=σπR2,Mr=σπr2です。残った板の質量は
M=MR−Mrです。
位置ベクトル OA を a とおくと、残った板の重心 G は
OG=MR−MrMR0−Mraを満たします。ここで
μ=MRMr=R2r2とおけば、
OG=−1−μμaです。したがって、O,G,A は同一直線上にあります。
円板の中心を通る面内軸まわりの慣性モーメント
半径 s、質量 m の一様円板について、板に垂直な中心軸まわりの慣性モーメントは
Iz=21ms2です。円板は中心まわりに回転対称なので、中心を通る互いに直交する面内軸まわりの慣性モーメントは等しいです。直交軸の定理より、
Iz=Ix+Iyであり、Ix=Iy だから、
Ix=Iy=41ms2です。
よって、大円板と小円板について、それぞれ自身の中心を通る面内軸まわりの慣性モーメントの差を C とおくと、
C=41MRR2−41Mrr2です。
面内軸の向きによる違い
G を通り、a に平行な面内軸を考えます。この軸は O と A も通るため、各円板の中心から軸までの距離はどちらも 0 です。したがって、平行軸の定理による補正は生じず、
I∥=Cです。
次に、G を通り、a に垂直な面内軸を考えます。この軸から O までの距離は
1−μμ∣a∣であり、この軸から A までの距離は
1−μ1∣a∣です。平行軸の定理より、この軸まわりの慣性モーメントは
I⊥=C+MR(1−μμ)2∣a∣2−Mr(1−μ1)2∣a∣2です。Mr=μMR を用いて整理すると、
I⊥=C−1−μMRμ∣a∣2となります。
残った板は直線 OA に関して対称なので、G を通る面内軸のうち、a に平行な軸と垂直な軸が面内での極値方向になります。また、
I⊥<I∥なので、
Imax=I∥,Imin=I⊥です。
比の計算
制約より、
μ=R2r2=(1.00)2(0.500)2=41です。また、
∣a∣2=u2+v2=(0.150)2+(0.200)2=0.0625m2=161m2です。
まず、
C=41σπ(R4−r4)=41σπ(1−161)=6415σπです。
また、
1−μMRμ∣a∣2=σπR2⋅3/41/4⋅161=481σπです。したがって、
Imin=6415σπ−481σπ=19241σπです。一方、
Imax=6415σπ=19245σπです。
よって、
IminImax=19241σπ19245σπ=4145です。
したがって、
p=45,q=41なので、入力すべき自然数は
p+q=86です。