GBO002 問題8
Problem Statement
ばねばかりに吊るした小物入れ全体の復元力と周期
問題文
実験室で使うばねばかりの下端に、軽い小物入れを吊るし、その中におもりを入れる。小物入れとおもりを合わせた物体をひとまとまりの物体として扱い、その合計質量を m とする。重力加速度の大きさを g とする。
ばねばかりのばねは鉛直方向にだけ伸び縮みし、ばねの伸びが x のとき、ばねが物体に及ぼす力の大きさは kx である。ここで、ばねの伸びとは、ばねの長さが自然長からどれだけ増えたかを表す量である。
物体を静かに吊るすと、ばねは自然長から x0 だけ伸びて静止した。その後、物体をつり合いの位置から鉛直下向きに少しだけ引き下げ、静かに手を離した。空気抵抗は無視でき、ばねの質量も無視できるものとする。また、物体の振動中、ばねは常に伸びた状態を保つものとする。
鉛直下向きを正の向きとし、つり合いの位置からの変位を y とする。
次の問いに答えよ。
- つり合いの位置から変位 y にあるとき、物体にはたらく合力を y を用いて表せ。
- この運動が復元力による振動であることを説明し、周期 T を m と k を用いて表せ。
- 制約で与えた値を用いて、周期 T の二乗 T2 を求めよ。
制約
- m=0.347kg
- k=18.6N/m
- π2=10.0
入力形式
周期 T の二乗 T2 を既約分数 qp で表したとき、p+q を入力せよ。
Solution
つり合いの位置での力の関係
まず、物体が静止しているつり合いの位置を考えます。
鉛直下向きを正の向きにしているので、物体にはたらく重力は下向きに mg です。一方、ばねは伸びているため、物体を上向きに引きます。つり合いの位置でのばねの伸びは x0 なので、ばねの力の大きさは kx0 です。
静止しているので、合力は 0 です。したがって、
mg−kx0=0となります。よって、
mg=kx0が成り立ちます。
この関係は、重力とばねの力がつり合いの位置でちょうど打ち消し合っていることを表しています。
変位 y のときの合力
つり合いの位置から下向きに y だけずれたとします。下向きを正にしているので、y>0 なら物体はつり合いの位置より下にあり、y<0 ならつり合いの位置より上にあります。
つり合いの位置でのばねの伸びは x0 だったので、変位 y の位置でのばねの伸びは
x0+yです。
したがって、ばねが物体に及ぼす力の大きさは
k(x0+y)です。ばねの力の向きは上向きなので、下向きを正としたとき、この力は負の向きをもちます。
よって、物体にはたらく合力 F は
F=mg−k(x0+y)です。
ここで、つり合い条件
mg=kx0を使うと、
F=kx0−k(x0+y)となります。整理すると、
F=−kyです。
この式から、合力は変位 y に比例し、向きは変位と反対向きであることがわかります。
たとえば、物体がつり合いの位置より下にあるときは y>0 なので、
F=−ky<0となり、合力は上向きです。
一方、物体がつり合いの位置より上にあるときは y<0 なので、
F=−ky>0となり、合力は下向きです。
ここで注意すべきなのは、上にずれたときに「ばねの力が下向きになる」わけではないという点です。問題文では、振動中もばねは常に伸びた状態を保つとしているので、ばねの力は常に上向きです。ただし、つり合いの位置より上ではばねの伸びが小さくなるため、上向きのばねの力が弱くなります。その結果、重力の方が大きくなり、合力が下向きになります。
復元力としての意味
得られた合力は
F=−kyです。
これは、物体がつり合いの位置からずれると、そのずれを打ち消す向きに合力がはたらくことを意味します。このように、物体をつり合いの位置へ戻そうとする力を復元力といいます。
ここでは、復元力の大きさが変位の大きさに比例しているので、物体は単振動します。
周期の式
単振動では、合力が
F=−kyの形で表されるとき、周期 T は
T=2πkmで表されます。
この式から、ばね定数 k が大きいほど、つまりばねが硬いほど、物体を強く戻そうとするため周期は短くなります。また、質量 m が大きいほど、物体は動きにくくなるため周期は長くなります。
数値代入
周期そのものを求めようとすると平方根を含みますが、入力形式では T2 を使うので、周期の式を二乗して扱います。
T2=4π2km制約より、
m=0.347kg,k=18.6N/m,π2=10.0です。したがって、
T2=4×10.0×18.60.347となります。
小数を分数として扱うと、
0.347=1000347,18.6=10186なので、
T2=40×1000347×18610です。整理すると、
T2=1860013880となります。
分子と分母を 40 で割ると、
T2=465347です。
347 は 465=3×5×31 のいずれの素因数でも割り切れないので、この分数は既約分数です。
したがって、入力形式における
p=347,q=465より、
p+q=812です。
よって、入力すべき自然数は
812です。