GBO002 問題6
Problem Statement
ボーア原子の光子エネルギーを読み解く
問題文
水素原子をボーアの水素原子模型で考える。電子が量子数 ni の軌道から、より内側の量子数 nf の軌道へ移るとき、原子は光子を一つ放出する。
ボーア模型では、量子数 n の軌道にある電子の全エネルギー En は
En=−n2Kで表されるとする。
電子が外側の軌道から内側の軌道へ移ると、電子自身のエネルギーは減少する。その減少分が放出される光子のエネルギーになるので、放出光子の振動数 f は
hf=Eni−Enfを満たす。
このとき、放出される光子の振動数 f を求める。さらに、無次元量
X=1013 Hzfを計算する。
制約
- K=13.6 eV
- h=4.14×10−15 eV⋅s
- ni=3
- nf=2
入力形式
X=1013 Hzf を既約分数 qp で表したとき、p+q を入力せよ。
Solution
ボーア模型でのエネルギー準位
ボーアの水素原子模型では、電子は連続的なエネルギーをもつのではなく、量子数 n によって決まる特定のエネルギー準位だけをとると考えます。
この問題では、そのエネルギーを
En=−n2Kとしています。
ここで、エネルギーが負であることには意味があります。電子は原子核に束縛されており、原子核から無限に遠く離れた状態を基準にすると、束縛状態のエネルギーは負になります。
また、n が小さいほど
−n2Kはより小さい値、つまりより低いエネルギーになります。
放出光子のエネルギー
電子は ni=3 から nf=2 へ移ります。これは外側の軌道から内側の軌道への遷移なので、電子のエネルギーは下がります。
電子が失ったエネルギーが、光子のエネルギーとして放出されます。したがって、光子のエネルギーは
hf=Eni−Enfです。
それぞれのエネルギーは
Eni=E3=−32K Enf=E2=−22Kです。
よって、
hf=(−9K)−(−4K)となります。
これを整理すると、
hf=K(41−91)です。
エネルギー差を求める
括弧内を計算します。
41−91=369−4=365したがって、
hf=365Kです。
制約より K=13.6 eV なので、
hf=365×13.6 eVです。
ここで 13.6=568 だから、
hf=365⋅568=3668=917 eVとなります。
振動数を求める
光子のエネルギーと振動数の関係は
hf=917 eVです。
したがって、
f=9h17となります。
制約より
h=4.14×10−15 eV⋅sです。4.14=100414=50207 と表せるので、
h=50207×10−15 eV⋅sです。
したがって、
f=9⋅50207×10−1517となります。
分母を整理すると、
f=9⋅20717⋅50×1015 Hzです。
つまり、
f=1863850×1015 Hzです。
入力用の無次元量に直す
問題では
X=1013 Hzfを考えます。
よって、
X=10131863850×1015です。
指数部分は
10131015=102=100なので、
X=1863850×100=186385000となります。
85000 と 1863 は互いに素なので、これは既約分数です。したがって、
p=85000,q=1863です。
よって、
p+q=85000+1863=86863となります。
したがって、入力すべき自然数は
86863です。