GWCS003 問題6
問題文
斜面を滑り降りる音源とドップラー効果
問題文
傾斜角 θ のなめらかな斜面があり、その最下点に音の観測者が静止している。斜面の最上点から、一定の振動数 f0 の音波を発生させる小さな音源を、静止した状態から静かに放したところ、音源は斜面に沿って直線状に滑り降りていった。風はなく、空気中の音速および重力加速度の大きさは常に一定である。音源が斜面を滑り降りる途中のある点 P を通過した瞬間に発した音波を、後に最下点の観測者が直接聴いたところ、その振動数は f′ であった。力学的エネルギー保存則およびドップラー効果の公式を用いて、点 P と滑り始めの最上点との間の距離を求めよ。
制約
- 音源の固有の振動数 f0=596 Hz
- 観測者が聴いた音波の振動数 f′=680 Hz
- 空気中の音速 V=340 m/s
- 重力加速度の大きさ g=9.8 m/s2
- 斜面の傾斜角 θ に対する正弦の値 sinθ=0.50
入力形式
点 P と滑り始めの最上点との間の距離を L [m] とするとき、 L の値を 3.5 倍した値を表す自然数を入力せよ。
解説
解説
力学的エネルギー保存則から音源の移動速度を導き出し、それをドップラー効果の公式へと適用する、力学と波動の総合問題です。
1. 力学的エネルギー保存則による速度の定式化
音源の質量を m、斜面に沿って滑り降りた距離を L とします。斜面はなめらかであり摩擦力が働かないため、音源の力学的エネルギーは保存されます。 滑り始めの最上点を位置エネルギーの基準とすると、距離 L だけ滑り降りた点 P は、鉛直下方に Lsinθ だけ下がった位置になります。 点 P を通過するときの音源の速さを v とすると、力学的エネルギー保存則より次の式が成り立ちます。
21mv2−mgLsinθ=0
これを v2 について整理すると以下のようになります。 v2=2gLsinθ
2. ドップラー効果の適用
音源は静止した観測者に向かって、斜面に沿って速さ v で直進しています。音源が点 P を通過した瞬間に発した音波の振動数 f′ は、ドップラー効果の公式より次のように表されます。
f′=V−vVf0
この式を、既知の変数が集まるように変形して v を求めます。両辺を f0 で割り、逆数をとります。 VV−v=f′f0 1−Vv=f′f0 Vv=1−f′f0 v=V(1−f′f0)
3. 各物理量の算出
制約欄に与えられた数値を代入して、速さ v を計算します。 v=340×(1−680596) v=340×680680−596=340×68084=680340×84=0.5×84=42 m/s
音源が点 P を通過した瞬間の速さは 42 m/s であることが分かります。 次に、ステップ1で導いた力学的エネルギー保存則の式に変数の値を代入し、距離 L を求めます。 v2=2gLsinθ 422=2×9.8×L×0.50 1764=9.8×L L=9.81764=180 m
4. 入力値の算出
入力形式に従い、求めた距離 L=180 m を 3.5 倍した値を計算します。 180×3.5=630
入力すべき自然数は 630 です。