後払い制遊園地と電子の脱出(AI) 解説
問題文
後払い制遊園地と電子の脱出(AI)
問題文
「光は波であると同時に、エネルギーの塊(粒子)としての性質も持っている」
これはアインシュタインが唱えた「光量子仮説」と呼ばれる考え方である。光は E=hf(h はプランク定数、f は光の振動数)というエネルギーを持った粒の集まりとして振る舞う。
金属の表面に十分なエネルギーを持つ光を当てると、金属の中にある電子が光の粒からエネルギーを丸ごと受け取り、外へと飛び出してくる。この現象を「光電効果」と呼ぶ。
電子が金属の表面から外へ飛び出す現象は、「料金後払い制の遊園地から外へ脱出するゲーム」 に例えて考えることができる。
- 退園時の清算料金(仕事関数 W) 金属という園内にいる「客(電子)」が遊園地から外へ脱出するには、出口の精算所で今まで遊んだ利用料として最低でも W というエネルギー(お金)を支払う必要がある。
- 拾ったお札(光の粒1個のエネルギー E=hf) 園内の地面には上空から落ちてきた光の粒、つまり E=hf という価値を持つお札が落ちている。お札は客1人につき1枚しか拾うことができず、複数人で分け合ったり分割して使うことはできない。
- 飛び出す時のお金(運動エネルギー K)
- お札の価値 E が利用料 W より少ない(E<W)場合、客は利用料を払えず、外へ脱出することはできない。
- お札の価値 E が利用料 W 以上(E≥W)の場合、客は精算所で利用料 W を支払って外へ脱出し、手元に残った「おつり(E−W)」をそのまま自分の「飛び出す勢い(運動エネルギー K)」にする。
このとき、飛び出す客の運動エネルギー K(おつり)は次のようなアインシュタインの光電方程式で表される。
K=E−W=hf−W
いま、園内の客が価値 E1=hf1 のお札(振動数 f1 の光の粒)を拾って精算したところ、客は K1 のおつり(運動エネルギー)を持って外へ飛び出してきた。
次に、拾うお札の価値を 4 倍の 4E1=h(4f1)(振動数が 4 倍の光の粒)に変えて同じ園内の客に拾わせたところ、飛び出してきた客の持っていたおつりは K2=13K1(最初の 13 倍)になった。
この遊園地の利用料(仕事関数 W)は、最初に客が拾ったお札1枚の価値 E1=hf1 の何倍であるかを求めなさい。
制約
- f1>0Hz
- h>0J⋅s
- W>0J
入力形式
求めたい倍率 E1W は既約分数 qp(p,q は互いに素な自然数)で表される。p×q の値を回答すること。
解説
解説
遊園地の例えとアインシュタインの光電方程式
光電効果では、振動数 f の光の粒1個が持つエネルギー E=hf(落ちているお札の価値)が、金属内の電子1個に与えられます。
電子が金属から外へ飛び出すために支払う最小のエネルギーを仕事関数 W(遊園地の利用料)とすると、飛び出した電子の最大運動エネルギー K(おつり)は、受け取ったエネルギーから利用料を差し引いた残りとなります。
K=hf−W=E−W
2回の実験条件の立式
1回目の実験で、客が価値 E1=hf1 のお札を拾ったときのおつりは K1 でした。したがって、次の式が成り立ちます。
K1=E1−W— (1)
2回目の実験では、お札の価値が 4 倍の 4E1 になりました。このときのおつりは最初(K1)の 13 倍である 13K1 になったので、同様に式を立てます。
13K1=4E1−W— (2)
利用料 W とお札の価値 E1 の比率の計算
式(1)の両辺を 13 倍します。
13K1=13(E1−W)=13E1−13W
この式と式(2)は、どちらも 13K1 の値を表しているため、イコールで結ぶことができます。
13E1−13W=4E1−W
E1 を左辺に、W を右辺にまとめて整理します。
13E1−4E1=13W−W
9E1=12W
両辺を 3 で割ります。
3E1=4W
求めたい比率 E1W を計算するために、両辺を 4E1 で割ります。
E1W=43
解答の計算
求められた比率は E1W=43 です。
分子 p=3、分母 q=4 となり、これらは互いに素な自然数です。
指定された入力形式に従い、p×q を計算します。
p×q=3×4=12
最終的に入力すべき自然数は 12 となります。