壁をすり抜けるAさん? (AI) 解説
問題文
壁をすり抜けるAさん? (AI)
問題文
「ボールを投げても硬い壁を突き破ることはできない」
これは私たちの日常生活(マクロな世界)では当然のルールである。しかし、量子力学の世界(ミクロな世界)では、粒子が本来乗り越えられないはずのエネルギーの壁を、まるで壁にトンネルが掘られたかのように一定の確率でスルスルとすり抜けてしまう現象が存在する。これを「量子トンネル効果」と呼ぶ。
部屋のドアを締め切って閉じこもっている不健康で超がつくほど飽き性なAさんだが、部屋の中にじっとしているのも飽きてしまい、外へ脱出したくなった。
しかし、部屋の出口には高さ V の頑丈で高い「壁(エネルギーの壁)」が立ちはだかっている。Aさんの持ち合わせている「やる気(エネルギー)」を E とすると、E<V であるため、本来ならAさんは壁を乗り越えて外に出ることは絶対にできない。
(分かりやすく言うと: 「乗り越えるのに100のパワーが必要な壁に対して、Aさんは50のパワーしか持っていない」という状態です。)
ところが、量子力学の世界に住むAさんは、壁をすり抜けて外へ脱出してしまうことがある。
Aさんが壁をすり抜けて外へ脱出できる確率(トンネル確率) T は、次のような関係式で表されることが分かっている。
T=Aさんの性格定数×(VE)×(1−VE)
(※「Aさんの性格定数」は1以下の正の定数であり、確率が1を超えない調整の数と思ってください。)
Aさんは、少しでも高い確率で部屋から脱出して外へ遊びに行きたいと考えている。
壁の高さ V が決まっているとき、Aさんが壁をすり抜けて外へ脱出できる確率 T が最も大きくなるような「Aさんのやる気 E」と「壁の高さ V」の比率 VE を求めなさい。
制約
- V>0
- E>0
入力形式
求めたい比率 VE は既約分数 qp (p,q は互いに素な自然数)で表される。p+q の値を回答すること。
解説
解説
量子トンネル効果とは?
量子力学では、粒子が持つエネルギー E よりも高いポテンシャルの壁 V が存在しても(E<V)、粒子が波の性質を持つため、確率的に壁を通り抜けてしまう「トンネル効果」という不思議な現象が起こります。
確率が最大になる条件(2次関数の最大値)
問題文で与えられた確率 T の式に注目します。
T=Aさんの性格定数×(VE)×(1−VE)
ここで、求めたい比率を文字 x=VE と置きます。E<V かつ E>0 より、x の動く範囲は 0<x<1 です。
式の中の x に関係する部分を取り出すと、次のような2次関数になります。
y=x(1−x)=x−x2
この2次関数を平方完成(頂点を求める変形)します。
y=−(x2−x)=−(x−21)2+41
上にとつの放物線(山の形のグラフ)になるため、x=21 のときに全体の大きさ(確率 T)が最も大きくなることが分かります。
したがって、トンネル確率 T が最も大きくなるときの比率は、
VE=21
となります。
解答の計算
求められた比率は VE=21 です。
分子 p=1、分母 q=2 となり、これらは互いに素な自然数です。
指定された入力形式に従い、p+q を計算します。
p+q=1+2=3
最終的に入力すべき自然数は 3 となります。