GWCB007 問題3
問題文
アルファ崩壊に伴う原子核の半減期と崩壊定数
問題文
ある放射性同位体の原子核がアルファ崩壊を起こし、別の安定な原子核へと変化する現象を考える。時刻 t=0 において、この放射性同位体のみで構成される試料が存在し、その未崩壊の原子核の数は N0 であるとする。
この放射性同位体の崩壊定数を λ とするとき、単位時間あたりに崩壊する原子核の数は、その時刻に存在する未崩壊の原子核の数 N(t) に比例し、 −dtdN(t)=λN(t) と表される。
時刻 t=T において、未崩壊の原子核の数 N(T) が初期の数 N0 の半分、すなわち N(T)=21N0 となった。この時間 T を半減期と呼ぶ。
崩壊定数 λ と半減期 T の積 λT を求める式を導き出し、その値を評価したい。λT=ln(a) と表されるとき、整数 a の値を求めよ。
制約
- N0=1000 個
- T=3.0 年
入力形式
求める整数 a の値をそのまま答えよ。
解説
解説
物理的背景と微分方程式の立式
放射性崩壊は、個々の原子核が確率的に崩壊する現象です。時刻 t における未崩壊の原子核の数を N(t) とすると、微小時間 dt の間に崩壊する原子核の数 −dN は、そのときに存在する原子核の数 N(t) および時間 dt に比例します。比例定数を崩壊定数 λ とおくと、以下の微分方程式が成り立ちます。
−dtdN(t)=λN(t)微分方程式の解法
この変数分離型微分方程式を解きます。両辺を N(t) で割り、t で積分します。
∫N1dN=−∫λdt lnN(t)=−λt+C(Cは積分定数)初期条件 t=0 で N(0)=N0 を適用すると、C=lnN0 となります。したがって、時刻 t における原子核の数 N(t) は次のように表されます。
N(t)=N0e−λt半減期の定義と崩壊定数の関係
半減期 T は、未崩壊の原子核の数が初期値の半分になる時間であるため、N(T)=21N0 が成立します。これを上の式に代入します。
21N0=N0e−λT両辺を N0 で割ると、以下の関係が得られます。
e−λT=21両辺の自然対数をとります。
−λT=ln(21)=−ln(2)したがって、崩壊定数 λ と半減期 T の積は以下のように求まります。
λT=ln(2)問題式の λT=ln(a) と比較すると、a=2 となります。
最終的に入力すべき自然数は 2 です。