GWCB007 問題1
問題文
放射線の基礎(1)
問題文
放射線にはいくつかの種類があり、その性質によって物質を突き抜ける強さ(透過力)が異なる。 次の各物質(①~⑧)に、α線、β線、X線、γ線をそれぞれ照射したとき、その物質を実質的に通り抜ける(十分な強さを保って透過する)ことができる放射線の組み合わせとして最も適切なものを、下の1~4の選択肢からそれぞれ一つずつ選び、番号で答えなさい。 なお、測定器で検出できないレベルまで弱まる場合は「遮断される」ものとみなす。
[選択肢]
- 1 : すべての放射線(α線、β線、X線、γ線)が、ほとんど減衰せずに通り抜ける。
- 2 : 最も透過力の弱いα線は実質的に遮断されるが、それよりも透過力の強いβ線、X線、γ線は通り抜ける。
- 3 : α線とβ線は実質的に遮断されるが、さらに透過力の強いX線、γ線は通り抜ける。
- 4 : すべての放射線が実質的に遮断され、通り抜ける放射線はほとんどない。
1 コピー用紙(厚さ0.1mm)
2 アルミホイル(厚さ0.01mm)
3 アルミニウムの板(厚さ1cm)
4 鉄の板(厚さ1mm)
5 鉄の板(厚さ1m)
6 鉛の板(厚さ1m)
7 金箔(厚さ0.0001mm)
8 レンガ(厚さ5cm)
入力形式
小問 1 の解答を A1 、小問 2 の解答を A2 ...と、小問 n の解答を An としたとき、以下の計算結果を回答すること。
∑n=18108−n×An
解説
解説
🎯 正解の数値
22334413
📊 各小問の解説
- (1) コピー用紙(厚さ0.1mm) [正解:2]
- α線は遮断され、β線、X線、γ線は透過します。α線はヘリウム原子核の粒子であり、物質と衝突しやすいためわずか0.1mmの紙1枚でエネルギーを失います。
- (2) アルミホイル(厚さ0.01mm) [正解:2]
- α線は遮断されますが、薄すぎるためβ線、X線、γ線は透過します。アルミニウムがβ線を止めるには数mmの厚みが必要なため、紙と同じ挙動(選択肢2)になる引っ掛け問題です。
- (3) アルミニウムの板(厚さ1cm) [正解:3]
- α線とβ線は遮断され、X線、γ線は透過します。1cmの厚みがある金属板であれば、電荷を持った電子のストリームであるβ線を完全に吸収・ブロックできます。
- (4) 鉄の板(厚さ1mm) [正解:3]
- α線とβ線は遮断され、X線、γ線は透過します。鉄はアルミニウムより密度が高いため、わずか1mmの厚みでもβ線を実質的にほぼ完全に止めることが可能です。
- (5) 鉄の板(厚さ1m) [正解:4]
- すべての放射線が遮断され、何も通り抜けません。1メートルという圧倒的な厚みの金属塊の前では、透過力の強いX線やγ線も原子との相互作用で完全に減衰します。
- (6) 鉛の板(厚さ1m) [正解:4]
- すべての放射線が遮断されます。鉛は原子番号が大きく密度も高いため、放射線防護の王様です。1mの厚みは原子力施設の防護壁レベルであり、完全にシャットアウトします。
- (7) 金箔(厚さ0.0001mm) [正解:1]
- すべての放射線がほとんど減衰せずに透過します。0.1µmの金箔はラザフォードのα線散乱実験と同じ条件であり、透過力の最も弱いα線すら衝突せずにすり抜けます。
- (8) レンガ(厚さ5cm) [正解:3]
- α線とβ線は遮断され、X線、γ線は透過します。コンクリートに近い組成を持つ5cmの厚みがあればβ線は止まりますが、エネルギーの高いX線やγ線を止めるには足りません。