GWC
問題文
スプレー缶が冷たくなる理由
問題文
殺虫剤や消臭スプレーを長く噴射していると、缶は冷たくなる。これには「蒸発熱」と「断熱膨張」が関わっている。この問題では1秒間に 1.0g のガスを連続噴射するとする。
-
噴射された「気体」が外へ飛び出すとき、その気体を閉じた系として見ると、外へ仕事をすることで内部エネルギーが減少し、温度が下がる。 1秒間の噴射により、もし噴射された気体の断熱膨張だけが起きたとすると、ガスの内部エネルギーは W(J) 減少する。 このとき、ガス自身の温度は何度下がるか計算しなさい。
-
缶の中の「液体」が、減圧によって1秒間に 1.0g だけ気体に変化(蒸発)する。 このとき、液体が気体になるために周囲(缶や中身)から奪う熱量 Q(J) を求めなさい。
-
以上の結果から、缶が冷たくなることに対して、缶や中身から熱を奪う影響が大きいのは「蒸発熱」と「断熱膨張」のどちらと言えるか。選択肢から選びなさい。
- 0: 「蒸発熱」
- 1: 「断熱膨張」
制約
- W=1.5J
- ガスのモル質量:M=50g/mol
- ガスの定積モル比熱:Cv=75J/(mol⋅K)
- ガスの蒸発熱:Qvap=20kJ/mol
入力形式
(1)の回答の数値を A1、(2)の回答の数値を A2、(3)の回答を A3 とした時、
A1+A2+A3の値を回答しなさい。
解説
(1)断熱膨張による温度低下
1秒間に噴射されるガスは 1.0g であり、モル質量が 50g/mol なので、
n=501.0=0.020molである。
断熱膨張によって失われる内部エネルギーは
W=1.5Jである。定積モル比熱 Cv=75J/(mol⋅K) を用いると、
W=nCvΔTより、
ΔT=nCvW=(0.020)(75)1.5=1.0したがって、ガスの温度低下は
A1=1.0∘Cとなる。
(2)蒸発熱
ガスが 1.0g 蒸発する。
蒸発したガスの物質量は
n=501.0=0.020molである。
蒸発熱は
Qvap=20kJ/mol=20000J/molなので、蒸発に必要な熱量は
Q=nQvap Q=(0.020)(20000)=400Jとなる。
したがって、
A2=400である。
(3)どちらの影響が大きいか
断熱膨張による気体自身の内部エネルギー変化は
1.5Jであるのに対し、蒸発熱によって缶や中身から奪われる熱量は
400Jである。
両者を比較すると、
1.5400≈267となり、蒸発熱の方が約270倍大きい。
したがって、缶が冷たくなる主な原因は蒸発熱である。
よって、
A3=0である。
最終結果
A1+A2+A3=1.0+400+0=401したがって答えは
401である。