GWCB004 問題3
問題文
コップの結露と熱量保存
問題文
ある部屋の中で、質量 mw の水が入ったコップに初期温度 T1 の氷を投入した。投入後しばらく放置すると、氷はすべて融けて水になり、コップ内の水全体の温度は T2 で一定となった。
この状態から、さらに時間を置いてコップを部屋の中に放置したところ、コップの外側に空気中の水蒸気が結露し、質量 md の水滴が付着した。十分な時間が経過したとき、コップの内側の水と外側の水滴はすべて一体となって熱平衡状態に達し、全体の温度は T3 となった。この過程において、以下の条件を仮定する。
・熱の移動は、コップの外側で水蒸気が液体の水へと結露(凝縮)するときに放出する潜熱のみを考慮し、周囲の空気からの直接的な熱伝導や、コップ自体の熱容量、水の蒸発は無視できる。 ・水蒸気が液体の水へ相転移するときの凝縮熱の大きさを L とする。 ・水の比熱を cw とする。
熱平衡時の温度 T3 を文字式で導出した後、与えられた制約の数値を代入し、T3 の値を求めよ。
制約
- コップ内の水の質量: mw=0.158 kg
- 投入した氷の質量: mi=0.040 kg
- 全体の初期温度: T2=278 K
- 結露した水滴の質量: md=0.002 kg
- 水の凝縮熱: L=2.52×106 J/kg
- 水の比熱: cw=4200J/(kg⋅K)
入力形式
熱平衡時の温度 T3 の値を自然数でそのまま入力せよ。
解説
解説
物理法則の適用
外部(周囲の空気)からの直接的な熱伝導や容器の熱容量を無視するため、系全体のエネルギーは保存されます。コップの外側で水蒸気が結露するときに放出する潜熱(凝縮熱)が、すべてコップ内の水および付着した水滴の温度上昇に使われます。したがって、熱量保存の法則が成り立ちます。
各物質の熱量変化の立式
熱平衡状態における全体の温度を T3 とします。
- 水蒸気の結露によって放出される熱量 Qrelease 質量 md の水蒸気がすべて液体へと相転移するときに放出する熱量です。
Qrelease=mdL
- コップ内の水が得る熱量 Qin コップ内には、もともとあった水 mw と、融けて水になった氷 mi の合計質量 (mw+mi) の水が存在しています。これが初期温度 T2 から T3 まで温められます。
Qin=(mw+mi)cw(T3−T2)
- 結露した水滴が得る熱量 Qout 外側に付着した水滴の質量は md です。この水滴もコップの表面で初期温度 T2 の状態から全体の最終温度 T3 まで温められます。
Qout=mdcw(T3−T2)
熱量保存則による T3 の導出
放出された熱量と、系全体が得た熱量が等しくなるため、熱量保存の式は以下のようになります。
Qrelease=Qin+Qout
mdL=(mw+mi)cw(T3−T2)+mdcw(T3−T2)
右辺を (T3−T2) で整理します。
mdL=(mw+mi+md)cw(T3−T2)
この式を T3 について解きます。
T3−T2=(mw+mi+md)cwmdL
T3=T2+(mw+mi+md)cwmdL
数値代入と計算
与えられた制約の数値を代入します。
- 分子の計算
mdL=0.002×2.52×106=5040 J
- 分母の計算 温められる水全体の合計質量は次のようになります。
mw+mi+md=0.158+0.040+0.002=0.200 kg
全体の熱容量は次のようになります。
(mw+mi+md)cw=0.200×4200=840 J/K
これらを代入して温度変化 ΔT を求めます。
ΔT=8405040=6 K
したがって、最終温度 T3 は以下のようになります。
T3=278+6=284 K
入力すべき自然数は 284 です。