GWCB004 問題2
問題文
真冬の朝の熱力学
問題文
非常に寒い真冬の朝、部屋の窓が開いていたため、室内の温度は氷点下まで冷え切っていました。窓を閉め、完全に断熱された密閉容器(この部屋をモデル化したもの)の中に、質量 ma の空気が閉じ込められている状態にします。このときの空気の初期温度は T1 でした。
ここに、暖房代わりとして、初期温度 T2 の熱いお湯を質量 mw だけ容器内に静かに置き、再び密閉しました。
十分な時間が経過した後、室内の空気とお湯は熱平衡状態に達し、全体の温度は T3 となりました。この過程において、以下の条件を仮定します。
- お湯から空気への熱移動のみを考慮し、外部との熱のやり取りや容器の熱容量は無視できます。
- 空気の体積変化は無視でき、定積変化として扱います。空気の定積比熱を cv とします。
- 水の比熱を cw とします。
- 水の融点を T0 とし、最終的に水は凍ることなくすべて液体のままであり、蒸発もしないものとします。
熱平衡時の温度 T3 を文字式で導出した後、与えられた制約の数値を代入し、T3 の値を求めよ。
制約
- 空気の質量: ma=35kg
- 空気の定積比熱: cv=720J/(kg⋅K)
- 空気の初期温度: T1=266K
- お湯の質量: mw=0.8kg
- お湯の初期温度: T2=368K
- 水の比熱: cw=4200J/(kg⋅K)
- 水の融点: T0=273K
入力形式
熱平衡時の温度 T3 の値を自然数でそのまま入力せよ。
解説
解説
物理法則の適用
外部との熱のやり取りがない断熱密閉容器内での現象であるため、系全体のエネルギーは保存されます。すなわち、「空気が得た熱量 Qgain」と「お湯(水)が失った熱量 Qloss」は等しくなります。
Qgain=Qloss
各物質の熱量変化の立式
熱平衡状態における全体の温度を T3 とします。
-
空気が得た熱量 Qgain 空気は温度 T1 から T3 まで定積変化で温められます。 Qgain=macv(T3−T1)
-
お湯が失った熱量 Qloss お湯は温度 T2 から T3 まで冷却されます。 Qloss=mwcw(T2−T3)
熱量保存則による T3 の導出
熱量保存の式にそれぞれを代入します。
macv(T3−T1)=mwcw(T2−T3)
この式を T3 について整理します。
(macv+mwcw)T3=macvT1+mwcwT2
T3=macv+mwcwmacvT1+mwcwT2
数値代入と計算
与えられた制約の数値を代入します。
- macv=35×720=25200 J/K
- mwcw=0.8×4200=3360 J/K
分母は次のようになります。 macv+mwcw=25200+3360=28560 J/K
分子は次のようになります。 macvT1+mwcwT2=25200×266+3360×368 =6703200+1236480=7939680 J
したがって、T3 は以下のように求まります。 T3=285607939680=278 K
この温度は摂氏に換算すると 278−273=5 ∘C であり、水の融点 T0=273 K を上回っているため、「水は凍らず液体のままである」という問題文の仮定を満たしています。四捨五入や近似計算を挟むことなく、綺麗に整数値として割り切れます。
入力すべき自然数は 278 です。