GWCA004 問題3
問題文
振り子運動と台の可動による完全非弾性衝突
問題文
滑らかな水平床面上に質量 M の台が置かれており、その上面には質量が無視できる長さ L の軽くて伸びない糸が取り付けられている。糸の他端には質量 m の小球 A が取り付けられており、小球 A は台とともに運動できる。台の上面における糸の固定点を点 O とする。
点 O から鉛直下向きに距離 L だけ離れた位置は、小球 A の鉛直下方の最下点に対応する。この最下点において、台の上面には質量 m の小物体 B が静止して置かれている。
最初、台を水平床面上に固定した状態で、糸をたるませずに水平位置(角度 90∘)まで引き上げ、小球 A を静かに放した。小球 A は最下点に向かって円運動し、最下点に達した直前に、台の固定を解除して水平床面上を滑らかに運動できるようにした。小球 A は最下点において小物体 B と正面衝突し、直後に小球 A と小物体 B は一体となった。
衝突後、一体となった物体(質量 2m)は台の上を離れずに運動し、糸が鉛直線となす角が最大値 θmax に達した。
水平床面および台の上面と小球 A、小物体 B との間の摩擦、ならびに空気抵抗はすべて無視できるものとする。また、重力加速度の大きさを g とする。
cosθmax の値は既約分数 qp (p,q は互いに素な自然数)で表される。p+q の値を求めよ。
制約
- m=0.20 kg
- M=0.60 kg
- L=0.80 m
- g=9.8 m/s2
入力形式
cosθmax を既約分数 qp で表したときの分子と分母の和 p+q の自然数値。
解説
タイトル
振り子運動と台の可動による完全非弾性衝突
問題文
滑らかな水平床面上に質量 M の台が置かれており、その上面には質量が無視できる長さ L の軽くて伸びない糸が取り付けられている。糸の他端には質量 m の小球 A が取り付けられており、小球 A は台とともに運動できる。台の上面における糸の固定点を点 O とする。
点 O から鉛直下向きに距離 L だけ離れた位置は、小球 A の鉛直下方の最下点に対応する。この最下点において、台の上面には質量 m の小物体 B が静止して置かれている。
最初、台を水平床面上に固定した状態で、糸をたるませずに水平位置(角度 90∘)まで引き上げ、小球 A を静かに放した。小球 A は最下点に向かって円運動し、最下点に達した直前に、台の固定を解除して水平床面上を滑らかに運動できるようにした。小球 A は最下点において小物体 B と正面衝突し、直後に小球 A と小物体 B は一体となった。
衝突後、一体となった物体(質量 2m)は台の上を離れずに運動し、糸が鉛直線となす角が最大値 θmax に達した。
水平床面および台の上面と小球 A、小物体 B との間の摩擦、ならびに空気抵抗はすべて無視できるものとする。また、重力加速度の大きさを g とする。
cosθmax の値は既約分数 qp (p,q は互いに素な自然数)で表される。p+q の値を求めよ。
制約
- m=0.20 kg
- M=0.60 kg
- L=0.80 m
- g=9.8 m/s2
入力形式
cosθmax を既約分数 qp で表したときの分子と分母の和 p+q の自然数値。
解説
1. 衝突直前の小球 A の速度
台が固定された状態で小球 A を水平位置から放し、最下点に達するまでの運動では力学的エネルギーが保存されます。最下点を位置エネルギーの基準(0)とすると、初位置の高さは L です。最下点直前の小球 A の速度を v0 とすると、 mgL=21mv02 v0=2gL となります。このときの運動方向は水平右向きです。
2. 小物体 B との衝突直後の速度
最下点において小球 A(質量 m)は静止している小物体 B(質量 m)と完全非弾性衝突し、一体(質量 2m)となります。衝突の直前直後で台は静止しており、水平方向の力積のやり取りは小球 A と小物体 B の間でのみ生じるため、衝突直後の合体物体の水平速度を v1 とすると運動量保存則が成り立ちます。 mv0=(m+m)v1=2mv1 v1=21v0=212gL
3. 衝突後の運動と最大角 θmax
衝突直後(速度 v1)からは台(質量 M)も水平床面上を自由に変運動できるようになります。 一体となった物体(質量 2m)が糸に引っ張られながら振り子運動を行う際、系全体(台+合体物体)に働く水平方向の外力は存在しないため、水平方向の全運動量が保存されます。
糸が鉛直線となす角が最大値 θmax に達した瞬間、台に対する合体物体の相対的な運動は一瞬停止します。すなわち、台と合体物体はともに同じ水平速度 V で運動しています。
全運動量保存則より、 2mv1=(M+2m)V V=M+2m2mv1
衝突直後から糸が最大角 θmax に達するまでの間、非保存力は仕事をせず、張力は仕事をしないため、系全体の力学的エネルギーが保存されます。
最下点を高さの基準にとると、最大角 θmax における合体物体の高さは L(1−cosθmax) です。 力学的エネルギー保存則より、 21(2m)v12=21(M+2m)V2+2mgL(1−cosθmax)
V=M+2m2mv1 を代入して左辺と右辺の運動エネルギー項を整理します。 mv12−21(M+2m)(M+2m2mv1)2=2mgL(1−cosθmax) mv12−M+2m2m2v12=2mgL(1−cosθmax) mv12(1−M+2m2m)=2mgL(1−cosθmax) mv12(M+2mM)=2mgL(1−cosθmax) v12(M+2mM)=2gL(1−cosθmax)
ここで v12=41v02=41(2gL)=21gL を代入します。 (21gL)(M+2mM)=2gL(1−cosθmax)
両辺を gL で割ります。 21⋅M+2mM=2(1−cosθmax) 1−cosθmax=4(M+2m)M cosθmax=1−4(M+2m)M=4(M+2m)3M+8m
4. 数値の代入と結果の導出
与えられた質量 m=0.20 kg, M=0.60 kg を代入します。 3M+8m=3(0.60)+8(0.20)=1.80+1.60=3.40 4(M+2m)=4(0.60+2×0.20)=4(0.60+0.40)=4(1.00)=4.00
したがって、 cosθmax=4.003.40=4034=2017
分子 p=17、分母 q=20 は互いに素な自然数です。
求める値 p+q は、 p+q=17+20=37
入力すべき自然数は 37 です。