GWCA004 問題1
問題文
斜面上のばね振り子と小物体の摩擦運動
問題文
傾斜角 θ のなめらかな斜面と、これに続く粗い水平面がスムーズに接続されている。斜面の上端には壁が垂直に設置されており、一端を壁に固定されたばね定数 k の軽いはねの他端に、質量 m の小物体 A が取り付けられている。斜面上で小物体 A を引いてばねを自然長から L だけ伸ばした位置で静かに放すと、小物体 A は斜面をすべり降り、水平面に進入した。
水平面上の、斜面との接続点から距離 d だけ離れた点 P には、質量 M の小物体 B が静止している。小物体 A は水平面上を運動して小物体 B に衝突し、直後に小物体 A と小物体 B は一体となって運動した。小物体 A と水平面との間の動摩擦係数を μA、小物体 B と水平面との間の動摩擦係数を μB とし、重力加速度の大きさを g とする。
小物体 A はばねから離れることなく運動するものとし、小物体 A が斜面から水平面に移行する際の運動エネルギーの損失および空気抵抗は無視できるものとする。また、小物体 A が小物体 B と一体化した直後から完全に停止するまでに、小物体 A および小物体 B 全体が水平面上を進んだ距離を x とする。
距離 x を与える式を表したとき、無次元量である比 Lx は既約分数 qp (p,q は互いに素な自然数)で表される。p+q の値を求めよ。
制約
- m=0.20 kg
- M=0.30 kg
- k=40 N/m
- L=0.50 m
- θ=30∘
- g=9.8 m/s2
- μA=0.25
- μB=0.25
- d=0.60 m
入力形式
Lx を既約分数 qp で表したときの分子と分母の和 p+q の自然数値。
解説
解説
1. 斜面上の運動と水平面直前の速度
斜面はなめらかであるため、小物体 A がばねを伸ばした位置から水平面に達するまでの運動では、力学的エネルギーが保存されます。
ばねの自然長の位置(水平面との接続点)を重力による位置エネルギーの基準とし、ばねの弾性エネルギーを含めた全力学的エネルギーを考えます。
最初にばねを L だけ伸ばして放した直後の全力学的エネルギー E1 は、静止しているため運動エネルギーは 0 であり、位置エネルギーと弾性エネルギーの和となります。斜面接続点を基準(0)とすると、初位置の高さは Lsinθ となるので、 E1=mgLsinθ+21kL2 です。
小物体 A が水平面に達した直前の速度を v1 とすると、この点ではばねの伸びが 0 であり、高さも 0 であるため、力学的エネルギー E2 は運動エネルギーのみになります。 E2=21mv12
力学的エネルギー保存則 E1=E2 より、 21mv12=mgLsinθ+21kL2 v12=2gLsinθ+mkL2
与えられた値を代入します。 sin30∘=0.5 v12=2×9.8×0.50×0.5+0.2040×(0.50)2=4.9+200×0.25=4.9+50=54.9 m2/s2
2. 水平面上の運動と衝突直前の速度
小物体 A は粗い水平面上を距離 d だけ進みます。この間に受ける動摩擦力は μAmg です。 衝突直前の小物体 A の速度を v2 とすると、仕事と運動エネルギーの関係より、 21mv22−21mv12=−μAmgd v22=v12−2μAgd
値を代入すると、 v22=54.9−2×0.25×9.8×0.60=54.9−2.94=51.96 m2/s2
3. 小物体 B との完全非弾性衝突
点 P で静止している小物体 B(質量 M)に小物体 A(質量 m)が衝突し、一体となります。衝突の極めて短い時間においては外力(動摩擦力)の力積は無視できるため、運動量保存則が成り立ちます。 一体となった直後の速度を V とすると、 mv2=(m+M)V V=m+Mmv2
両辺を 2 乗すると、 V2=(m+Mm)2v22
値を代入すると、 m+Mm=0.20+0.300.20=52 V2=(52)2×51.96=254×51.96=25207.84 m2/s2
4. 衝突後の減速運動と停止距離
一体となった物体(質量 m+M)に作用する動摩擦力は、小物体 A と小物体 B の両方の接触面から受ける抗力の和となり、μA=μB=μ=0.25 であるため、 F摩擦=μ(m+M)g となります。
一体となった物体が距離 x だけ進んで停止するまでの運動エネルギー変化と仕事の関係より、 0−21(m+M)V2=−μ(m+M)gx x=2μgV2
V2 の式を代入します。 x=2×0.25×9.851.96×254=25×4.951.96×4=122.5207.84=1225020784=612510392 m
5. 比 Lx の計算と分子分母の和
求める比 Lx を計算します。L=0.50=21 m です。 Lx=21612510392=612520784
分母 6125=53×72 であり、分子 20784 を 5 および 7 で割れるか確認します。
- 20784 は 5 の倍数ではありません。
- 20784÷7=2969.14… となり、7 の倍数でもありません。
したがって、612520784 は既約分数 qp です。 よって、p=20784,q=6125 となります。
求める値 p+q は、 p+q=20784+6125=26909
入力すべき自然数は 26909 です。