併合過程における雨滴の成長と落下
問題文
併合過程における雨滴の成長と落下
問題文
この問題では、雲の中で雨滴が落下しながら周囲の雲粒を取り込むことで成長していく過程を考察する。ただし、今回、雲の中の温度は常に 0∘C 以上であるとし、水の凝固は考えない(暖かい雨)。
まず、空気塊が上昇して温度が露点を下回ったところで、エアロゾルと呼ばれる微粒子を凝結核として大気中の水蒸気が凝縮して小さな水滴を形成し、雲ができる。この水滴(雲粒)に周囲の水蒸気が凝縮していくことで雲粒は成長していく(凝結過程)。ある程度成長して大きくなると、雲粒は重力に従い落下を始め、小さな雲粒を吸収合併することで成長し(併合過程)、最終的に雨粒となって地表に降り注ぐ。今回はこの併合過程に着目して考察する。
半径 r0 の球状の雨滴が、重力と空気抵抗力のみを受けて初速度 v0 で落下していく。上昇気流は鉛直上向きに一定の速度で流れているものとし、以下では、上昇気流とともに動く基準系から見た雨滴の鉛直下向きの速度を v とする。初速度 v0 も同じ基準系から見た速度である。
ただし、重力加速度を g とし、空気抵抗力の大きさ f は、雨滴の半径 r、速度 v、大気の密度 ρa を用いて、
f=41πρar2v2と表されるとする(慣性抵抗)。
また、落下の途中、雨滴は常に密度 ρw の球形を保つとする。
そして雨滴は、落下する際に自身が掃いた部分の大気に含まれる小さな雲粒をすべて吸収し、質量、そして半径を増していく。ここで、小さな雲粒自体の半径と、水蒸気の凝縮による雨滴の質量増加は無視する。また、単位体積あたりの大気に含まれる小さな雲粒の質量の総和 α は一様であり、吸収される前の小さな雲粒は上昇気流とともに運動しているものとする。
このとき、半径 r0 の雨滴が初速度 v0 で落下を始めてから、半径が r1 となるまでにかかる時間 t を求めよ。
ヒント:変数変換
u=rγdtdr制約
- r0=1.0×10−4m
- r1=9.0×10−4m
- v0=28180710m/s
- g=9.8m/s2
- ρa=1.2kg/m3
- ρw=1.0×103kg/m3
- α=1.0×10−3kg/m3
入力形式
互いに素な自然数 A,B と、1 より大きい平方数で割り切れない自然数 C を用いて、
t=BACsと表せるので、和 A+B+C を入力せよ。
解説
雨滴の質量 m とその変化率 dm/dt は、単位時間あたりに雨滴が掃く体積が πr2v であることに注意して、
mdtdm=34πr3ρw,=πr2vαとなる。
また、r の変化率について、
dtdr=dtdmdmdr=4ρwαvとなる。
さて、雨滴の運動量 mv の時間変化が重力と空気抵抗力の合力に一致するから、運動方程式は、
dtd(mv)=mdtdv+vdtdm=mg−41πρar2v2となる。上昇気流とともに動く基準系では、吸収前の小さな雲粒が静止しており、雨滴へ流入する直前の鉛直運動量が 0 であることに注意する。
以上より、r についての閉じた微分方程式、
r¨+ar1r˙2=bを得る。ただし、ドットは時間微分を表し、
ab=3+4α3ρa,=4ρwgαである。
ここで、変数変換
u=rγr˙を施すと、
u˙=rγ(r¨+rγr˙2)となるので、γ=a とすれば、
u˙=braとなる。
また、
r˙=rauであるから、
drdu=dtdudrdt=ubr2aと変形できる。
これは変数分離形として解けて、
21u2=2a+1br2a+1+Cとなる。
したがって、
r˙=2a+12br+Cr−2aであり、
t=∫r0r12a+12br+Cr−2adrとなる。
数値を代入すると、
ab=903,=2.45×10−6m/s2となる。
また、初期条件が、
v0=α4ρw2a+12br0を満たすので、任意定数は C=0 と決定できる。
よって、
t=∫r0r12a+12brdr=22b2a+1(r1−r0)=404918070s=74018070sとなる。
ここで、40 と 7 は互いに素であり、
18070=2×5×13×139は 1 より大きい平方数で割り切れない。
したがって、
A=40,B=7,C=18070であるから、
A+B+C=40+7+18070=18117となる。
入力すべき値は18117。