GSO007 問題10
問題文
Legendre変換と物理的な微分方程式
問題文
集合Ω={γ:[t0,t1]C∞R∣γ(t0)=x0,γ(t1)=x1}と、十分滑らかな関数L(x,v,t):R3→Rに対してS:Ω→Rを
γ~(t)=(γ(t),dtdγ(t),t),S(γ)=∫t0t1(L∘γ~)(t)dtで定める。Sの停留の必要十分条件はEuler-Lagrange方程式で与えられる:
∀t(∂x∂L∘γ~)(t)−dtd(∂v∂L∘γ~)(t)=0ここで、速度表示のエネルギー関数H(x,v,t):R3→Rを
H(x,v,t)=v∂v∂L(x,v,t)−L(x,v,t)で定める。
[1] Lがtに陽に依存しないとき、dtd(H∘γ~)(t)を計算せよ。
[2] a,λ>0とする。時刻tは秒単位、ϕとaはメートル単位、λはm−2s−2単位で表す。次の微分方程式を満たすϕ(t)を求めよ:
ϕ¨=λϕ(ϕ2−a2),t→−∞limϕ(t)=−a,t→+∞limϕ(t)=a,ϕ(0)=0制約
a=3
λ=2
入力形式
時刻は秒、ϕの値はメートルを単位として表すものとする。 ϕ(ln2)=pqと表せるので、p+qを求めよ。 ただし、p,qは互いに素な正整数。
解説
[1]
dtd(H∘γ~)(t)=dtd(γ˙(t)∂v∂L(γ~(t))−L(γ~(t)))=γ¨(t)∂v∂L(γ~(t))+γ˙(t)dtd(∂v∂L(γ~(t)))−(∂x∂L(γ~(t))γ˙(t)+∂v∂L(γ~(t))γ¨(t))=γ˙(t){dtd(∂v∂L∘γ~)(t)−(∂x∂L∘γ~)(t)}.したがって、γがEuler-Lagrange方程式を満たすとき、
dtd(H∘γ~)(t)=0である。
[2] 与えられた微分方程式は
L(x,v)=21v2+4λ(x2−a2)2に対するEuler-Lagrange方程式である。実際、
∂x∂L=λx(x2−a2),∂v∂L=vなので、
∂x∂L−dtd∂v∂L=0から
x¨=λx(x2−a2)を得る。
このLはtに陽に依存しないので、Euler-Lagrange方程式の解では
H=21v2−4λ(x2−a2)2が保存する。したがって、
21ϕ˙2−4λ(ϕ2−a2)2=Cである。
境界条件よりt→±∞でϕ→±aであり、有限の極限をもつ解ではϕ˙→0となるため、
C=0である。よって
21ϕ˙2−4λ(ϕ2−a2)2=0すなわち
ϕ˙=±2λ(a2−ϕ2)を得る。境界条件とϕ(0)=0より、解は−a<ϕ<aを単調増加するので、符号は正である。したがって
a2−ϕ2ϕ˙=2λである。
これを積分すると、定数Cを用いて
2a1lna−ϕa+ϕ=2λt+Cとなる。ϕ(0)=0よりC=0であるから、
a−ϕa+ϕ=ea2λtであり、
ϕ(t)=aea2λt+1ea2λt−1を得る。
a=3、λ=2、t=ln2を代入すると、
a2λt=34ln2=6ln2である。したがって
ea2λt=26=64より、
ϕ(ln2)=3⋅64+164−1=65189である。
よって
p+q=65+189=254である。
入力すべき自然数は
254である。