GSO006 問題5
問題文
光子の数と運動量で読むレーザー短パルスの衝撃
問題文
水平で摩擦のない直線レール上に、質量 m の小さな黒い台車が静止している。波長 λ の単色光からなる短いレーザーパルスを、台車に向けてレールに平行に入射させる。
台車表面はこの光をすべて吸収し、反射や透過は起こらないものとする。また、吸収の間に台車の位置はほとんど変化せず、台車の速さは光速に比べて十分小さいものとする。与えられた数値はすべて誤差のない厳密な値として扱う。
光子のエネルギーは E=hν、光子の運動量の大きさは p=λh である。ここで、光の振動数を ν、プランク定数を h、光速を c とする。
レーザーパルス全体のエネルギーを U とする。このとき、台車が吸収する光子数 N と、吸収直後の台車の速さ v を求めよ。
制約
- h=6.63×10−34 Js
- c=3.00×108 m/s
- λ=663 nm
- U=0.156 J
- m=6.00×10−3 kg
入力形式
光子数 N を
N=A×1015と表したときの自然数 A とする。
さらに、台車の速さ v について
v=qp×10−6 m/sと表したときの互いに素な自然数 p,q とする。
最終的に入力する値は
A+p+qとする。
解説
光子1個のエネルギー
光量子仮説では、振動数 ν の光は、エネルギー
E=hνをもつ光子の集まりとして扱えます。
一方、この問題では振動数ではなく波長 λ が与えられています。光の基本関係
c=νλより、
ν=λcです。したがって、光子1個のエネルギーは
E=hλc=λhcとなります。
光子数 N を求める
レーザーパルス全体のエネルギーが U で、光子1個のエネルギーが λhc なので、光子数 N は
N=hc/λU=hcUλです。
数値を代入すると、
N=(6.63×10−34)(3.00×108)0.156×663×10−9です。ここで
663×10−9=6.63×10−7なので、
N=6.63×3.00×10−260.156×6.63×10−7となります。6.63 が約分されて、
N=3.000.156×1019です。
よって
N=0.0520×1019=5.20×1017となります。したがって
N=520×1015なので、
A=520です。
光子が台車へ与える運動量
次に、台車の速さ v を求めます。
光子1個の運動量の大きさは
pphoton=λhです。レーザーパルスに含まれる光子数は N 個なので、パルス全体の運動量の大きさは
Npphoton=Nλhです。
台車は光をすべて吸収するので、光がもっていた運動量は台車に渡されます。台車は初め静止しているため、吸収直後の台車の運動量の大きさは
mv=Nλhとなります。
ここで、先ほど求めた
N=hcUλを代入すると、
mv=hcUλ⋅λhです。右辺では h と λ が消えて、
mv=cUとなります。
つまり、光全体の運動量は
cUと表せます。これは、光子のエネルギーと運動量の関係から出てくる重要な結果です。
したがって、台車の速さは
v=mcUです。
速さ v を分数で整理する
数値を代入すると、
v=(6.00×10−3)(3.00×108)0.156です。分母は
(6.00×10−3)(3.00×108)=18.0×105=1.80×106なので、
v=1.80×1060.156です。
ここでは小数による丸めを行わず、厳密な値のまま分数として整理します。
v=1.800.156×10−6であり、
1.800.156=1800156=15013です。
したがって
v=15013×10−6 m/sとなります。
よって
p=13,q=150です。
最終的な入力値
光子数から
A=520速さから
p=13,q=150です。
したがって、入力すべき値は
A+p+q=520+13+150=683です。
答えは
683です。