GSO005 問題7
問題文
ν、v、u、υ、r、を全部使った最悪な物理問題
問題文
波の伝播速度が一定である非分散性の媒質がある。静止したこの媒質中を伝わる波の速さを u とする。
今、この媒質全体が x 軸の正の向きに一定の速さ υ で一様に流れている。
原点 O(0,0) には静止座標系(地面)に対して空間的に静止した波源があり、固有振動数 ν の波を全方位に向けて連続的に発振している。
時刻 t=0 において、位置 (0,r) にいる観測者が、y 軸上を原点に向かって一定の速さ v で移動を開始した。
この時刻 t=0 において、観測者の初期位置 (0,r) にはちょうど波のピーク(山)が到達しているものとする。
観測者が移動を開始した直後から原点に到達するまでの間に、新たにすれ違う波のピークの総数 N を求めよ。
ただし、波源は t<0 の時点から十分に長い時間波を発し続けており、空間には定常的に波が広がっているものとする。また、観測者は波のピークを漏れなく連続的にカウントできるものとする。
制約
- u=13 m/s
- υ=5 m/s
- v=4 m/s
- ν=252 Hz
- r=17 m
入力形式
導出された波の総数 N の値(自然数)をそのまま入力せよ。
解説
波の伝播方向と見かけの速さ
観測者は y 軸上を移動するため、観測者が受け取る波は、波源(原点)から y 軸に沿って進んできた波成分である。
波は波源から全方位に円形(球面)に広がるが、媒質全体が x 軸方向に流速 υ で動いているため、波面全体が流される。観測者が y 軸上で受け取るのは、波の媒質に対する速度ベクトル c=(cx,cy) と媒質の流速 υ=(υ,0) の合成速度 V が、ちょうど y 軸に沿って進む成分である。
波の固有の速さは u であるから、以下の関係が成り立つ。
cx2+cy2=u2地面(静止系)から見た波の速度ベクトル V は、次のように表される。
V=c+υ=(cx+υ,cy)波のエネルギーが y 軸に沿って進むためには、地面に対する速度の x 成分が 0 でなければならない。よって、
cx+υ=0⟹cx=−υこのとき、波の y 成分(地面に対する進行速度)は、y>0 の領域へ進むため cy>0 をとり、
Vy=cy=u2−cx2=u2−υ2となる。
よって、地面に対する波の速さ V は
V=u2−υ2となる。
ドップラー効果と観測される振動数
次に、観測者が受け取る波の振動数 f(1秒間に受け取る波の数)を考える。
波源は地面に対して静止しているため、波源の速度は 0 である。
観測者は波の進行方向(+y 向き)とは逆向き(−y 向き)に速さ v で移動している。
波の地面に対する速さは V であるから、観測者から見た波の相対的な速さ(観測者に波が向かってくる速さ)は V+v となる。
一方、地面から見た波長 λ を求める。
波源は 1 秒間に ν 個の波を出し、その波は地面に対して速さ V で進んでいく。波源が静止しているため、波の先端が進んだ距離 V の間に ν 個の波が含まれることになる。
したがって、地面から見た波長 λ は、
λ=νV=νu2−υ2となる。
観測者が観測する振動数 f は、相対的な波の速さを波長で割ったものであるから、
f=λV+v=VV+vν=(1+u2−υ2v)νとなる。
波の総数の導出
観測者が位置 (0,r) から原点 (0,0) まで速さ v で移動するのにかかる時間 t は、
t=vrである。
時刻 t=0 にちょうど波のピークが位置しており、そこから新たにすれ違うピークをカウントするため、端数は発生せず、求める総数 N は振動数と時間の積で厳密に求められる。
N=f×t=(1+u2−υ2v)ν×vr=vνr(1+u2−υ2v)展開すると、指定されたすべての視覚的に紛らわしい変数 ν,v,u,υ,r が入り乱れる以下の式が得られる。
N=vνr+u2−υ2νr数値計算
与えられた制約の数値を代入して計算する。
まず、平方根の部分を計算する。
u2−υ2=132−52=169−25=144=12 m/sこれを N の式に代入する。
N=4252×17(1+124) N=63×17×(1+31) N=1071×34=357×4=1428よって、新たに観測する波のピークの総数は 1428 個となる。