GSO004 問題2
問題文
湖底に沈む古代遺跡の石柱の引き上げ
問題文
淡水湖の底から、古代遺跡の一部である巨大な石柱を引き上げる作業を考える。
石柱の質量を M、石柱の体積を V、湖水(淡水)の密度を ρ とする。また、重力加速度の大きさを g とする。 石柱は内部まで完全に詰まっており、全体が湖水中に没している。湖水の密度は水深によらず一定であるとし、引き上げに用いるケーブルが受ける浮力や質量、および水の抵抗などはすべて無視できるものとする。
石柱を湖底から一定の速度で鉛直上方に引き上げる際、ケーブルが石柱を引く張力の大きさ T を求めよ。
制約
- 石柱の質量: M=3000 kg
- 石柱の体積: V=2.0 m3
- 湖水の密度: ρ=1000 kg/m3
- 重力加速度の大きさ: g=9.8 m/s2
入力形式
張力の大きさ T の値を、単位 N(ニュートン)において自然数で回答せよ。
解説
この問題は、「浮力の計算」と「力のつり合い(または見かけの重さの計算)」の2ステップからなる、基本的な物理法則の適用を問うものです。計算も整数の範囲で完結するように設定されています。
1. 石柱にはたらく重力と浮力の算出
まず、石柱にはたらく重力 W の大きさを計算します。 質量 M と重力加速度 g より、重力は以下のように表されます。
W=Mg数値を代入すると、
W=3000×9.8=29400 Nとなります。
次に、アルキメデスの原理を用いて石柱にはたらく浮力 F を計算します。 物体が流体から受ける浮力は、その物体が排除した流体の重さに等しくなります。排除した湖水の体積は V、湖水の密度は ρ であるため、浮力 F は以下のようになります。
F=ρVg数値を代入すると、
F=1000×2.0×9.8=19600 Nとなります。
2. 力のつり合いと張力の導出
問題文より、石柱は「一定の速度で」鉛直上方に引き上げられています。加速度がゼロであるため、石柱にはたらく力はつり合っています。 石柱にはたらく力は以下の3つです。
- 重力: W (鉛直下向き)
- 浮力: F (鉛直上向き)
- ケーブルの張力: T (鉛直上向き)
鉛直上向きを正として力のつり合いの式を立てます。
T+F−W=0これを張力 T について解くと、
T=W−Fとなります。先ほど求めた数値を代入します。
T=29400−19600=9800よって、求める張力の大きさは 9800 N となります。