1. 重心運動の分離
外力が働かない系であるため、2つのパックの重心は等速直線運動を行います。
系の総質量 M=mA+mB=16 kg です。
重心の速度 VCM は、運動量保存則より常に一定であり、初期状態から以下のように求まります。
VCM=MmAvA(0)+mBvB(0)=1612(5,0)+4(−20,10)=16(60,0)+(−80,40)=(−45,25) m/s
静止座標系から見た任意のパックの速度は、「重心の速度」と「重心系(相対系)での速度」の和として表すことができます。
2. 相対運動の定式化と一般解
パックAから見たパックBの相対位置ベクトルを r(t)=rB(t)−rA(t) とします。
相対運動の運動方程式は、換算質量 μ を用いて μr¨=Frel と表されます。
μ=mA+mBmAmB=12+412×4=3 kg
働く力は Frel=−Kr であるため、運動方程式は以下のようになります。
3r¨=−75r⟹r¨=−25r
これは、角振動数 ω=25=5 rad/s の2次元調和振動(単振動)を表します。
一般解は、定数ベクトル C1,C2 を用いて次のように書けます。
r(t)=C1cos(5t)+C2sin(5t)
初期条件より定数ベクトルを決定します。
時刻 t=0 での相対位置:
r(0)=(0,6)−(0,0)=(0,6)⟹C1=(0,6)
時刻 t=0 での相対速度:
r˙(0)=vB(0)−vA(0)=(−20,10)−(5,0)=(−25,10)
また、r˙(t)=−5C1sin(5t)+5C2cos(5t) より、
r˙(0)=5C2=(−25,10)⟹C2=(−5,2)
したがって、相対位置ベクトル r(t) の x,y 成分は以下のように求まります。
r(t)=(−5sin(5t), 6cos(5t)+2sin(5t))
3. パック間距離の最大化条件
パック間の距離の2乗 r2(t)=∣r(t)∣2 を計算し、最大となる時刻 t1 を特定します。
r2(t)=(−5sin5t)2+(6cos5t+2sin5t)2
=25sin25t+36cos25t+24sin5tcos5t+4sin25t
=29sin25t+36cos25t+24sin5tcos5t
半角の公式および2倍角の公式(sin2θ=21−cos2θ,cos2θ=21+cos2θ,2sinθcosθ=sin2θ)を適用します。
r2(t)=29(21−cos10t)+36(21+cos10t)+12sin10t
=265+27cos10t+12sin10t
三角関数の合成を行います。
27cos10t+12sin10t=21(24sin10t+7cos10t)=225sin(10t+α)
(ただし、α は cosα=2524,sinα=257 を満たす第1象限の角です)
よって、
r2(t)=265+225sin(10t+α)
距離が初めて最大となる時刻 t1 において、sin(10t1+α)=1 となります。
すなわち、10t1+α=2π です。
このとき、
cos(10t1)=cos(2π−α)=sinα=257
2倍角の公式 cos(10t1)=2cos2(5t1)−1 より、
2cos2(5t1)−1=257⟹cos2(5t1)=2516
10t1+α=2π より 5t1<4π であり、第1象限であるため正の根をとります。
cos(5t1)=54,sin(5t1)=1−(54)2=53
4. 指定時刻の速度と運動エネルギーの算出
時刻 t1 における相対速度 r˙(t1) を求めます。
r˙(t)=dtd(−5sin(5t), 6cos(5t)+2sin(5t))=(−25cos(5t), −30sin(5t)+10cos(5t))
t=t1 の三角関数の値を代入します。
x˙(t1)=−25×54=−20
y˙(t1)=−30×53+10×54=−18+8=−10
よって、r˙(t1)=(−20,−10) となります。
静止座標系におけるパックBの速度 vB(t1) は、重心速度と相対速度を用いて次のように表されます。
vB(t1)=VCM+mA+mBmAr˙(t1)=VCM+43r˙(t1)
値を代入して計算します。
vB(t1)=(−45,25)+43(−20,−10)=(−45,410)+(−460,−430)
vB(t1)=(−465,−420)=(−465,−5) m/s
最後に、パックBの運動エネルギー EK を求めます。
EK=21mB∣vB(t1)∣2=21×4×((−465)2+(−5)2)=2×(164225+25)
EK=2×(164225+400)=2×164625=84625 J
分母の 8=23 に対し、分子の 4625 は奇数であり 2 を因数に持たないため、これは既約分数です。
A=4625,B=8 であり、求める値は A+B です。
A+B=4625+8=4633