問題文
非一様電場におけるガウスの発散定理と多重積分
問題文(再掲)
真空中の空間に電場 E が存在し、直交デカルト座標系 (x,y,z) において以下のように表される。
E=(kxy2)i^+(kx2y)j^+(γz3)k^
ここで i^,j^,k^ は各軸方向の基本ベクトル(単位ベクトル)であり、k と γ は定数である。
空間内の領域 V を、円柱 x2+y2≤R2 かつ 0≤z≤H で囲まれた領域とする。
この領域 V 内に含まれる全電荷 Q を求めよ。
制約
- 定数: k=2 V/m4
- 定数: γ=1 V/m4
- 円柱の半径: R=3 m
- 円柱の高さ: H=4 m
- 真空の誘電率: ε0=36π×1091 F/m
入力形式
領域 V 内に含まれる全電荷 Q を単位 nC(ナノクーロン、1 nC=10−9 C)で求め、その自然数値を回答せよ。
マクスウェル方程式の微分形であるガウスの法則より、電場の発散(Divergence)と電荷密度 ρ の間には以下の関係があります。
∇⋅E=ε0ρ
まず、与えられた電場 E の発散を計算します。
∇⋅E=∂x∂Ex+∂y∂Ey+∂z∂Ez
偏微分を実行すると、以下のようになります。
∇⋅E=∂x∂(kxy2)+∂y∂(kx2y)+∂z∂(γz3)
∇⋅E=ky2+kx2+3γz2=k(x2+y2)+3γz2
領域 V 内の全電荷 Q は、電荷密度 ρ の体積積分によって求められます。
Q=∭VρdV=ε0∭V(∇⋅E)dV
領域 V は円柱であるため、直交座標系から円柱座標系 (r,θ,z) への変数変換を行います。
x2+y2=r2 であり、微小体積要素はヤコビアンを考慮して dV=rdrdθdz となります。
積分の範囲は 0≤r≤R、0≤θ≤2π、0≤z≤H です。
Q=ε0∫02πdθ∫0Rdr∫0Hdz((kr2+3γz2)r)
被積分関数は θ に依存しないため、θ についての積分は単に 2π となります。
Q=2πε0∫0R(∫0H(kr3+3γrz2)dz)dr
括弧内の z についての定積分を実行します。
∫0H(kr3+3γrz2)dz=[kr3z+γrz3]0H=kHr3+γH3r
次に、これを r について 0 から R まで定積分します。
Q=2πε0∫0R(kHr3+γH3r)dr=2πε0[kH4r4+γH32r2]0R
Q=2πε0(41kHR4+21γH3R2)
ここで、制約として与えられた具体的な数値を代入します。
k=2, γ=1, R=3, H=4
- 括弧内の第一項: 41×2×4×34=2×81=162
- 括弧内の第二項: 21×1×43×32=21×64×9=288
括弧内の和は 162+288=450 となります。これを Q の式に戻します。
Q=2πε0×450=900πε0
最後に、真空の誘電率 ε0=36π×1091 F/m を代入し、具体的な電荷量を求めます。
Q=900π×36π×1091=36900×10−9=25×10−9 C
1 nC=10−9 C であるため、全電荷は 25 nC となります。
したがって、求める自然数は 25 です。