GSO001 問題17
問題文
1次元ステップポテンシャルにおける物質波の反射と透過
問題文(再掲)
質量 m の粒子が、1次元空間(x 軸)上を運動している。この空間のポテンシャルエネルギー V(x) は、領域によって以下のように定義されている。
V(x)={0V0(x<0)(x≥0)x の方向から、エネルギー E (ただし E>V0)を持つ粒子の定常的な流れが入射している。シュレーディンガー方程式の境界条件から反射係数 R を求めよ。
制約
- 粒子の質量: m=9.1×10−31 kg
- 入射粒子のエネルギー: E=289 eV
- ポテンシャルの高さ: V0=225 eV
- ディラック定数: ℏ=1.054×10−34 J⋅s
入力形式
求められる反射係数 R は既約分数 A/B で表される。自然数 A と B の和である A+B の値を求めよ。
解説
定常状態のシュレーディンガー方程式は以下のように記述されます。
−2mℏ2dx2d2ψ(x)+V(x)ψ(x)=Eψ(x)領域 x<0 (領域 I)におけるポテンシャルは V(x)=0 であるため、方程式は
dx2d2ψ1(x)+k12ψ1(x)=0,k1=ℏ2mEとなります。この一般解は、入射波と反射波の重ね合わせとして次のように表されます。
ψ1(x)=Aeik1x+Be−ik1x領域 x≥0 (領域 II)におけるポテンシャルは V(x)=V0 であるため、方程式は
dx2d2ψ2(x)+k22ψ2(x)=0,k2=ℏ2m(E−V0)となります。この領域には透過波のみが存在するため、一般解は次のように表されます。
ψ2(x)=Ceik2xx=0 における波動関数の連続性と、その1階微分の連続性の境界条件を適用します。
- ψ1(0)=ψ2(0) より、 A+B=C
- ψ1′(0)=ψ2′(0) より、 ik1(A−B)=ik2C⟹k1(A−B)=k2(C)
これら2つの式から C を消去し、振幅の比 B/A を求めます。
k1(A−B)=k2(A+B) A(k1−k2)=B(k1+k2)⟹AB=k1+k2k1−k2反射係数 R は、入射確率流れの密度に対する反射確率流れの密度の比として定義されます。
R=AB2=(k1+k2k1−k2)2ここで、k1 と k2 の定義式を代入すると、質量 m や ℏ は相殺され、エネルギーのみの式になります。
R=(E+E−V0E−E−V0)2与えられた制約数値を代入します。
- E=289 eV より、 E=17
- E−V0=289−225=64 eV より、 E−V0=8
これを反射係数 R の式に代入します。
R=(17+817−8)2=(259)2=62581これは既約分数であるため、A=81、B=625 となります。 よって求めるべき値は A+B=81+625=706 です。