GEO003 問題2
問題文
LC回路と回転導体棒の連成振動
問題文
水平な面上に、半径 a の細い円環状のなめらかな導線(レール)が固定されている。円環の中心を O とする。この空間には、鉛直下向きに磁束密度 B の一様な磁場が存在する。
質量 m、長さ a のまっすぐな導体棒(以下、棒1と呼ぶ)を用意し、一端を O に固定して、もう一端 P を円環に接触させながら、面上をなめらかに回転できるようにした。棒1の慣性モーメントは 31ma2 である。
円環上の固定点 A と中心 O の間に、電気容量 C のコンデンサー、自己インダクタンス L のコイル、およびスイッチを直列に接続した。回路の電気抵抗、棒とレールの間の摩擦、空気抵抗はすべて無視できる。コイル以外の自己インダクタンスも無視できる。
初期状態において、棒1は静止しており、コンデンサーの O 側の極板には電荷 +Q0、反対側の極板には電荷 −Q0 が蓄えられている。
時刻 t=0 にスイッチを閉じた。時刻 t におけるコンデンサーの O 側の極板の電荷を Q(t)、棒1を O から P に向かって流れる電流を i(t)、棒1の反時計回りの角速度を ω(t) とする。
棒に生じる誘導起電力の向きを判断し、回路方程式と棒1の回転の運動方程式を組み合わせるとよい。
制約に示した数値はすべて厳密値として扱う。
制約
- a=0.300m
- m=0.150kg
- B=0.800T
- C=1.00F
入力形式
棒1が回転できる場合の電荷 Q(t) の振動の角振動数を Ω1 とする。
また、棒1を固定した場合の通常のLC回路の角振動数を、
Ω0=LC1とする。
無次元比
R=Ω02Ω12を既約分数 qp と表し、p+q を入力せよ。
解説
誘導起電力と回路方程式
棒1が反時計回りに角速度 ω で回転するとき、棒上の正電荷には中心 O に向かうローレンツ力がはたらきます。したがって、電位が高いのは O 側です。
誘導起電力の大きさは、
V=∫0arωBdr=21Ba2ωです。
ここで、
k=21Ba2とおきます。
棒1を O から P に進み、円環と外部のLC回路を通って O に戻る向きに回路をたどります。棒1の部分では電位が kω だけ低下します。
また、正の電流が流れると、コンデンサーの O 側の極板から電荷が流れ出すため、
i=−dtdQです。
キルヒホッフの第2法則より、
CQ−Ldtdi−kω=0となります。
棒1の回転の運動方程式
電流が棒1を O から P に流れるとき、棒1には反時計回りの磁気トルクがはたらきます。
その大きさは、
N=∫0ariBdr=kiです。
棒1の慣性モーメントを、
I=31ma2とすると、回転の運動方程式は、
Idtdω=kiです。
i=−dtdQ を代入すると、
Idtdω=−kdtdQとなります。
初期状態では ω=0、Q=Q0 であるため、積分すると、
Iω=k(Q0−Q)すなわち、
ω=Ik(Q0−Q)を得ます。
電荷の単振動
i=−dtdQ より、
dtdi=−dt2d2Qです。
これと ω=Ik(Q0−Q) を回路方程式に代入すると、
CQ+Ldt2d2Q−Ik2(Q0−Q)=0となります。
整理すると、
Ldt2d2Q+(C1+Ik2)Q=Ik2Q0です。
右辺は一定であるため、Q は一定の振動中心のまわりで単振動します。その角振動数は、
Ω12=LC1+ILk2です。
k=21Ba2 および I=31ma2 を代入すると、
Ω12=LC1+4mL3B2a2となります。
角振動数の比
棒1を固定した場合は、
Ω02=LC1です。
したがって、
R=Ω02Ω12=1+4m3CB2a2となります。
数値を代入すると、
R=1+4×0.1503×1.00×(0.800)2×(0.300)2=1+12536=125161です。
したがって、入力すべき自然数は、
p+q=161+125=286