GBO003 問題7
問題文
宇宙船の電気サンドイッチ
問題文
宇宙船の壁に、互いに平行で十分に大きい2枚の金属板を固定する。金属板間の距離を L1+L2 とし、端の効果は無視できるものとする。
左側の金属板には、同じ材質の導体ブロックが接触しており、このブロックは板から右向きに長さ L1 だけ伸びている。導体ブロックは静電平衡にあり、左側の金属板と導体ブロックは同じ電位である。
導体ブロックの右端から右側の金属板までの長さ L2 の領域は、比誘電率 εr の一様な誘電体で完全に満たされている。
導体ブロックと誘電体の境界面、および右側の金属板には、大きさが等しく符号が反対の自由電荷が一様に分布している。その自由電荷の面密度の大きさを σ とする。
この装置の2枚の金属板間の電位差の大きさを V とする。
比較のため、導体ブロックと誘電体をすべて取り除き、同じ距離 L1+L2 の金属板間を真空で満たす。このときも、向かい合う面の自由電荷の面密度の大きさを同じ σ に保つ。この場合の金属板間の電位差の大きさを V0 とする。
制約
- 導体ブロックの長さ:L1=6.30×10−2m
- 誘電体の厚さ:L2=8.70×10−2m
- 誘電体の比誘電率:εr=4.70
入力形式
比 V0V を既約分数 nm と表したとき、自然数 m+n を入力せよ。
解説
導体部分の電位差
静電平衡にある導体の内部では、電場は 0 です。
したがって、長さ L1 の導体ブロック内部の電位差は、
ΔV1=0です。
導体ブロックはかなりの厚みをもっていますが、電位差という点では存在感を消しています。宇宙船らしいステルス性能です。
誘電体部分の電場
自由電荷の面密度の大きさが σ である平行板間を、比誘電率 εr の誘電体で満たすと、誘電体内部の電場の大きさは、
E=ε0εrσとなります。
誘電体部分の厚さは L2 なので、この部分の電位差の大きさは、
ΔV2=EL2=ε0εrσL2です。
導体部分の電位差は 0 であるため、装置全体の電位差は、
V=ε0εrσL2となります。
全体を真空にした場合
距離 L1+L2 の全領域を真空にすると、金属板間の電場の大きさは、
E0=ε0σです。
したがって、金属板間の電位差の大きさは、
V0=E0(L1+L2)=ε0σ(L1+L2)となります。
電位差の比
二つの電位差の比をとると、
V0V=ε0σ(L1+L2)ε0εrσL2=εr(L1+L2)L2となります。
数値を代入すると、
V0V=4.70(6.30×10−2+8.70×10−2)8.70×10−2=4.70×0.1500.0870=70587=23529です。
したがって、
m=29,n=235より、入力すべき自然数は、
m+n=29+235=264です。