GBO002 問題5
問題文
小さな卓上ヒーターで氷を水蒸気にする
問題文
台所で、融点にある氷を金属製の小さな加熱容器に入れ、容器の底面に密着した卓上ヒーターで一定の熱を加える。大気圧は 1atm とする。氷はすべて融けて水になり、その後、水は沸点まで温められる。さらに沸点に達した水の一部が沸騰によって気化し、水蒸気になる。
氷から水への融解、水の温度上昇、水から水蒸気への気化に必要な熱量をすべて考える。ただし、加えた熱はすべて氷または水に伝わるものとし、加熱容器の熱容量、および周囲の空気へ逃げる熱は無視する。また、融点にある氷がすべて融けてから水の温度が上がり始め、沸点に達してから水の一部が気化するとする。
この一連の加熱に必要な熱量 Q を求めよ。
制約
- 氷の質量:m=0.180kg
- 気化する水の質量:mv=0.0250kg
- 水の比熱:c=4.20×103J/(kg⋅K)
- 氷の融解熱:Lf=3.34×105J/kg
- 水の気化熱:Lv=2.26×106J/kg
- 融点から沸点までの温度差:ΔT=100K
入力形式
求めた熱量 Q の値を、単位 J をつけずに自然数で入力せよ。
解説
状態変化に使われる熱を分けて考える
この問題では、加熱の過程を三つに分けて考えます。
まず、融点にある氷が水に変わります。これは融解です。次に、できた水が融点から沸点まで温められます。最後に、沸点に達した水の一部が沸騰によって気化し、水蒸気になります。
ここで注意したいのは、水蒸気と湯気は同じものではないという点です。水蒸気は気体の水で、通常は目に見えません。一方、日常で白く見える湯気は、水蒸気が冷えて小さな水滴になったものです。この問題では、液体の水が気体の水蒸気になるために必要な熱量を考えます。
氷をすべて融かす熱量
融点にある氷を水に変えるとき、温度は変わらず、加えた熱は状態を変えるために使われます。質量 m の氷を融かすのに必要な熱量は、融解熱 Lf を用いて
Q1=mLfと表されます。
数値を代入すると、
Q1=0.180×3.34×105より、
Q1=60120Jです。
これは氷の温度を上げるための熱ではなく、固体の氷を液体の水に変えるための熱です。
水を沸点まで温める熱量
氷がすべて融けた後は、液体の水の温度が上がります。状態は水のままなので、ここでは比熱を使います。
質量 m の水を温度差 ΔT だけ温めるのに必要な熱量は
Q2=mcΔTです。
したがって、
Q2=0.180×4.20×103×100より、
Q2=75600Jとなります。
沸騰によって一部の水を水蒸気にする熱量
水が沸点に達した後、さらに熱を加えると、水の一部が沸騰によって気化します。沸点で気化している間、加えた熱は温度上昇ではなく、液体の水を気体の水蒸気に変えるために使われます。
質量 mv の水を水蒸気にするのに必要な熱量は、気化熱 Lv を用いて
Q3=mvLvです。
数値を代入すると、
Q3=0.0250×2.26×106より、
Q3=56500Jです。
気化熱は融解熱よりも大きいため、少量の水を水蒸気にするだけでも大きな熱量が必要になります。鍋を加熱し続けると水が減っていくのは、水が気化するために多くの熱を受け取っているからです。
全体の熱量を求める
全体で必要な熱量 Q は、融解に必要な熱量、温度上昇に必要な熱量、気化に必要な熱量の和です。
Q=Q1+Q2+Q3したがって、
Q=60120+75600+56500より、
Q=192220Jです。
よって、入力すべき自然数は
192220です。