GBO001 問題4
問題文
恒星間塵ストリームの相対速度ベクトル解析
問題文
真空中の無重力空間に、静止した直交座標系 x−y が固定されている。 この空間には、全体が一様な速度 vd で等速直線運動をしている恒星間塵(ダスト)のストリームが存在しているが、その絶対速度 vd は未知である。
3機の無人観測探査機 A, B, C が、それぞれ異なる一定の速度でこの空間を航行しながらダストの運動を観測している。探査機はダストの質量に対して十分に大きく、衝突による探査機の速度変化は無視できるものとする。
* 探査機Aは x 軸正の向きに速さ VA で飛行している。探査機Aから観測すると、ダストは y 軸負の向き(成分表記で (0,−1) と同じ向き)に等速直線運動しているように見えた。 * 探査機Bは y 軸正の向きに速さ VB で飛行している。探査機Bから観測すると、ダストは成分表記で (1,−k) のベクトルと同じ向きに等速直線運動しているように見えた。 * 探査機Cは、速度ベクトル vC=(−VC,−VC) で飛行している。
探査機Cから観測したダストの相対速度の大きさ(速さ) vrel,C を求めよ。
制約
各物理量は以下の値をとるものとする。 * VA=16 m/s * VB=7 m/s * VC=4 m/s * k=2 (無次元量)
入力形式
探査機Cから見たダストの速さ vrel,C の値を自然数で回答せよ(単位:m/s)。
解説
解説
1. 相対速度の定義とダストの絶対速度の立式
観測者(探査機)の速度ベクトルを vobs、対象物(ダスト)の速度ベクトルを vobj とすると、観測者から見た対象物の相対速度 vrel は以下の高校物理の基本公式で表されます。
vrel=vobj−vobs未知であるダストの絶対速度ベクトルを vd=(vx,vy) とおき、探査機AおよびBからの観測結果を用いて連立方程式を立てます。
2. 探査機Aの観測からの条件抽出
探査機Aの速度ベクトルは vA=(VA,0) です。 探査機Aから見たダストの相対速度 vd/A は以下のようになります。
vd/A=vd−vA=(vx−VA,vy)問題文より、このベクトルは (0,−1) の向きと平行です。つまり、相対速度の x 成分は 0 であり、y 成分は負の値をとります。
vx−VA=0⟹vx=VA制約 VA=16 m/s を代入すると、ダストの絶対速度の x 成分が確定します。
vx=16 m/s(また、vy<0 であることも分かります)
3. 探査機Bの観測からの条件抽出
探査機Bの速度ベクトルは vB=(0,VB) です。 探査機Bから見たダストの相対速度 vd/B は以下のようになります。
vd/B=vd−vB=(vx,vy−VB)既に vx=16 であることが分かっているため、代入します。
vd/B=(16,vy−VB)問題文より、このベクトルは (1,−k) と同じ向きです。制約 k=2 を代入すると、ベクトル (1,−2) と平行になります。 ベクトルの向きが同じであるため、x 成分と y 成分の比が一致します。
16vy−VB=1−2これを解いて vy を求めます。
vy−VB=−32制約 VB=7 m/s を代入します。
vy−7=−32⟹vy=−25 m/sこれにより、ダストの絶対速度ベクトルが vd=(16,−25) であることが確定しました。(vy<0 の条件も満たしています)
4. 探査機Cから見た相対速度の算出
最後に、探査機Cから見たダストの相対速度を求めます。 探査機Cの速度ベクトルは vC=(−VC,−VC) です。制約 VC=4 m/s を代入すると、vC=(−4,−4) となります。
探査機Cから見た相対速度ベクトル vd/C を計算します。
vd/C=vd−vC=(16−(−4),−25−(−4)) vd/C=(16+4,−25+4)=(20,−21)求める値は「相対速度の大きさ(速さ)」であるため、ベクトルの絶対値を計算します。
vrel,C=∣vd/C∣=202+(−21)2 vrel,C=400+441=84129×29=841 であるため、
vrel,C=29 m/s解答: 29